ここ数日は、いかに日本国民が浅田真央を愛しているかを思い知らされる数日でありました。
うかつに彼女の批判でもしようものなら、十字架にかけられて火あぶりにでもされそうです。
逆に森元首相の嫌われぶりもすごいですね。
こちらも少し擁護するやボコボコにされてしまいます。
「空気」というものは誠に恐ろしい。
昨日、広告学校で「いじめを減らすポスター」の課題をやって、うちの中3の娘を審査委員長にして論評をさせたのですが、娘いわく、いじめを生むのは学校独特の「空気」であると。
強い者が弱い者をいたぶることで自分の強さを誇示し、それがカッコいい、楽しい、という空気が作り上げられてしまうと、もうそれを壊すことは無理であると。
我が娘はなかなか本質を見る力を持っているなあと感心しました。ヘタな教育評論家よりよほどわかってるんじゃないだろうか。
まあ、その話はここではこれ以上突っ込みませんが。
僕は生来のへそ曲がりなゆえか、どうも「空気」に乗っかるのが居心地悪いのです。
「真央ちゃん感動ありがとー!」って言ってるだけではいられない。
どこか不満です。
皆さんそんなに彼女を愛してるならば、彼女にちゃんと金を獲らせてあげたらどうですか?
平昌で。
そういう提案をしたい。
僕はフィギュアのことはほとんど何も知らないんですけど、浅田選手は、技術力はスゴいんですよね?
トリプルアクセルできるのは彼女だけなんでしょ。
たしかキムヨナ選手はこれに挑んだが挫折したとか。
なのにスコアで勝てないのは、はっきりとした原因が他にあるからですよ。
それは表現力でしょう。
ソチのフリーで浅田選手は自己ベストを更新しましたが、それでも3位。
もしSPで失敗しなくても、銅メダルがせいぜいだったんじゃないでしょうか。
彼女の芸術点の低さは前々からの課題だったはず。
バンクーバーでは、「北米の舞台でなぜロシアの曲を?」といった疑問の声も上がってました。
ここが放置されていた印象があります。
僕はやっぱりこのあたりに問題の根本を感じます。
自己ベストでも銅レベルなのに、金を期待される重圧。
そのあたりの矛盾が彼女を苦しめ、ミスを引き出し、そこからの解放感で涙したんじゃないのでしょうか。
だとしたら、しっかりと、金を獲れるストラテジーと環境を作った上で、もう一回チャレンジさせてあげるというのはダメなんでしょうか。
今、フィギュアで選手の表現力を引き出す世界一は、ブライアン・オーサーのチームでしょう。
彼らはバンクーバー後にキムヨナ(のお母さん?)とケンカして、ソチでは羽生結弦に金をもたらしてくれましたね。
羽生サイドから、彼らを浅田選手に譲ってもらったらどうでしょう。
プルシェンコが羽生の次期コーチ、なんて話も出てるようですけど、これはブライアン、面白くないですよ。
僕が苦労して売上げ倍増させたのに、「来期から糸井さんがやってくれるそうなので」と言われるようなものですからね。義理も恩義もないのかあんたらは!と思いますよね。
だからここは汚名挽回とばかりに森元首相が動いて、
「おれ、大事なところで必ず舌が滑っちゃうんで…。真央ちゃんに金を獲らせてお詫びしたいんだよね」
とか言ってブライアンチームと羽生サイドを口説いたらどうでしょう。
ご本人の気持ち優先であることはもちろんですが。
次の舞台は完全なアウェーですしね。