塩野七生「ローマ人の物語」が大好きです。特に初期の頃の話が。
文化力でギリシャ人に劣り、身体力でガリア人に劣り、経済力でカルタゴ人に劣った、ないない尽くしのローマ人がなぜどこよりも強大な国家を建設できたのか?
それには彼らが固持した、優れた「制度」がありました。
その一つが、「失敗を咎めない」というものです。
軍団を率いて合戦に負けた指揮官は、その責を負わされて処罰される、あるいは解任されるということはなく、逆に「負けた理由が最もわかっているはずだ」ということでもう一度挑戦できるのです。
ザッケローニ氏がワールドカップでの惨敗の責を取って退任すると発表しましたが、彼はどうも日本人的感覚に染まりすぎてないでしょうか。
半分の敵を相手に、8万の将兵のうち6万の死傷者と1万の捕虜を出したカンナエの戦いに比べれば、ワールドカップの負け方など軽いものです。
ローマ人の末裔として、ローマの古き良きしきたりに従って、再チャレンジしてほしいところ。
負けるたびに監督を交代しているようでは、知見も積み上がらないし、次に勝てる確率は下がるでしょう。
ローマ人は厳しい生存競争を勝ち抜くために、実に合理的な考えを貫いていたようです。
現代の日本人も見習う点は非常に多いと思います。