コピーライター養成講座を引き受けたワケ

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先日、小西利行くん、佐々木圭一くんと久しぶりに3人で飲みまして。
3人で揃って飲むのはもう10年以上ぶりかなあ…。
僕は広告代理店時代に彼らのトレーナーをやっていて、彼らからすると最初の師匠と言うことになります。
小西くんはPoolを立ち上げCDとして大成功を収めているし、佐々木くんは「伝え方が9割」で大ヒットを飛ばすなど、やはり自分の関わっていた人たちが活躍しているのは嬉しいもの。
それで、当然ながら昔話に花が咲き…。
その一つとしてこんなものがありました。

佐々木くんが初ボーナスをもらったとき、それで2人に奢ると。
いつも奢ってもらってばかりだからたまには自分が、と言い張るので、じゃあそうしてもらおうかと。
誰に聞いたのか
「ここはうまいらしいですよ!」
という寿司屋をどこだったか予約して、飲み食いしてお勘定になり、
「ここは僕に任せてください!」
とカウンターに向かったものの、頭を下げながらすごすごと戻って来て、
「お金が足りませんでした・・・」
と。
いったいいくら金持って来たのよ、と聞いたら3万円だと。
「それなりの寿司屋で1人1万で足りるかよ」
ということで、そこは僕が出すことに。
「じゃあ、2軒目は僕が出しますよ!」
てことでどこだったかおネエちゃんのいる店に行ったんだけど、
「足りません・・・」
そりゃそうだわな。
そこも僕が出すことに。
まあ、毎日がそんなかんじで、この2人には通算1千万円ぐらいは奢ってるんじゃないでしょうか?
こないだ「ワイドナショー」でダウンタウン松本が
「自分は後輩たちに1億は奢ってると思う」
と言ってたけど、先輩後輩というのはそういうものじゃないかと。
僕自身も若い頃、上司やいろんな方から散々奢られましたから。

水が上から下に流れるように、お金も上から下に流すものと僕は思っていて、それはたとえ顔を知らない間柄でも同じだろうと。
だから広告学校も無料でやっているし、セミナーで言えば、社会人が会社の経費で来るようなものは引き受けるけど学生がバイトしながら参加費を捻出するような養成講座のようなセミナーはお断りして来たわけです。

ただ、今年の養成講座はカリキュラムが一新されていて、これまでとは精神的な何かが異なる気がしました。
昨年度に発売された僕の著作は、コピーライターがちゃんと食っていくためのスキルとか姿勢とかを書いてほしいという宣伝会議のオファーから生まれたものですが、その気持ちが組み込まれているように見えたのです。
で、やはり「お金をもらえるコピーとは何か」といったテーマでやってくれないか、という依頼が。
それを拒否するわけにはいかないなと…。
大人の義理のようなものもちょっとありますし…。

それで、2コースで1コマずつ持つことにしたのですが、2部構成にしてもらいました。
第1部は講義。
第2部は質疑応答会ということで、飲食しながらいろいろ受講生の疑問や質問に答える。
ただそこの飲食代は全部僕の講義料から払う。
ということに。
養成講座の初日で講演をした服部タカユキくんは、若手コピーライターの指導ということについては僕ととても近い考え方を持っていて、養成講座やTCCでがんばってる人。
彼にも講師として協力してもらうことで、講義に厚みをつけようと思案しました。

もちろん講師にはセミナーというものへの考え方がそれぞれあって、ここで言いたいのは、僕のそれが正しいとかそうあるべきとかではないです。
単に、
「あれ、やらないんじゃなかったの?」
と不思議がる方がもしいらしたら、というご報告でした。