自分の本の「コピー」の話

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先週発売した「ここらで広告コピーの本当の話をします」ですが、予約開始日からAmazonの広告宣伝カテゴリーでずっと1位、書店の引きも良く、おかげさまで出だし好調のようです。

その勝因はおそらくただ1つ。
「コピー1本で百万円請求するための教科書」という帯コピーでしょう。
僕は本の中で広告コピーのベースとなる戦略の重要性を書いていますが、それになぞらえて、この帯コピーに込めた作戦をここで紐解いてみます。

まず、主ターゲット。
これは若手コピーライター、コピーライター志望者としていますが、正確には「ビジネスがうまくいってないと感じているコピーライター」です。
「コピーがうまく書けないと感じている」人たちではないということ。

USP(Unique Selling Proposition)。
これは、「コピービジネスがわかる」コピー本ということ。
コピーライターたちが書いて来た今までのコピー本は、こうすればコピーがうまくなるとか、自分はこんなふうに書いて来たとか、そういう内容のものばかりですが、そういうものとは切り口が違うわけです。

若いコピーライターを見ていると、「自分はコピーが書ける」と思ってる人はとても多いように感じます。
けっこう自信満々。
でも実際の現場では、まったく自分の案が採用されなかったり、ぜんぜんお金がもらえなかったり。
養成講座では金の鉛筆もらってほめられたのに、これはどうしたことか、糸井さん、仲畑さんの時代は1本1千万円とか聞いてたのに、この差はなんなのか、わけがわからなくなっている。
そういう人たちがあの帯コピーを見て、「これだ」となっているのでしょう。

つまりコピーが、主ターゲットにとって、商品の価値を創っているわけです。

もし帯コピーが「〇〇さん推薦!こういうコピーの書き方があったのか」みたいなものだったら、「またか」「もういいよ」となっていたかもしれません。
つまりそれではターゲットにとって価値がないということです。
本の中で書いた、「コピーが価値を創る」という意味が、わかってもらえるでしょうか。

余談になりますがこの発想はもともと僕のものではなく、宣伝会議さんのものです。
若いコピーライターたちがビジネス的に行き詰まっている様子に心を痛めていて、そこを何とかしたい、という依頼だったんですね。
そこに、ちょっと愛のようなものを感じました。
僕はそれを本というカタチで整理し、そのコンセプトをコピーにしただけ、とも言えます。

個人的には読者は広告会社の営業さんなど、業界全般を意識してます。
そういう内容にもなっています。
ただターゲットを広げすぎるとかえってシュリンクしますので、そこは表には打ち出してません。
前著が出版社の意向で一般人にも広げようとしたら大外ししましたし…。
それもまた戦略です。