np.広告学校に来てほしくない人。

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np.無料広告学校第8期の募集が始まりました。
毎年十数名の枠に対してだいたい百名前後の応募があります。
今期はすでに問合せもかなり来ていることから見て、さらに狭い門になることは間違いないでしょう。

そこで、適切な人のチャンスが奪われないように、ここで少し「ふるい」にかけておきたいと思いました。
僕が「来てほしくない」人はどういう人か、以下に書きます。

まず、宣伝会議賞コピーが広告コピーだと思ってる人。
その手のコピーを書けるようになろうとして入校しても、間違いなく役に立ちません。
そういうコピーの書き方は教えません。
宣伝会議賞はもともと真木準さんが始めたものだったように思いますが、一般人向けにおもしろコピーを募集することで広くコピーというものの存在を知ってもらおう、というところに主眼があったはずです。
サラリーマン川柳を募集することで川柳になじんでもらい、その中から人によっては俳句の世界に進んでいく、そういったものに近く、川柳と俳句が違うものであるように、ああいった公募のコピーとプロの書く広告コピーは全く違うものなのです。
そこを混同して、素人コピーがコピーの頂点と誤解して、それを求めて入校し、勝手に不満を言って辞めていく、そういう人は迷惑以外の何物でもないです。
np.広告学校は実践的クリエイティブ能力を鍛える場ですので、そういう人はとにかく応募しないでいただきたい。

次に、努力できない人。
考える力が伸びるのは、考える時です。
講師の発言を聞いている時ではありません。
課題を一所懸命考える。
コピーをいろんな方向で50案ほど書いて、その中からこれぞというものを選ぶ。
そういう時に能力が伸びているのであって、講義は答え合わせのようなものです。
ちょっと思いついたものをそのまま表現案にして持って来て、講師の言うことをチャカチャカとメモって、「どういうコピー書けばいいんですか?」「ここをこうすればいいんですか?」と、インスタントの結果ばかり求める、そういう人は10年通ったって能力伸びません。
10kmとか20kmとか自分の限界まで走ることで肺活量とか持久力のある肉体になっていくわけで、100mぐらい走ったらコーチの方向いて「どう走ればいいんですか?」とメモを取り出す、そんな人がマラソン選手になれるわけがない。
努力できないちゃっかりさんは通うだけ無駄です。

あと、休む人。
今年、骨折で入院した時も僕は退院した日に講義しました。
両松葉杖で階段登って。
体調などの理由で休講にしたことは一度もないです。
受講生の中にはちょっとしたことで休む人がいます。
これは厳しさの差です。
僕は仕事に厳しいんです。
そうじゃない人は辛いことからすぐに逃げてしまうし、クリエイティブのように自分を追い込む仕事は向かないと思います。

能力の高い人を求めているわけではありません。
求人ではないので。
能力の伸びしろのある人を求めているのです。
その伸びしろを作るのは自分自身であって、僕らがしているのは、そこに少し補助をしてあげる、ぐらいのことなのです。

コピー!コピー!と眼を血走らせる人がコピーライターに向いているとも思いません。
広告なんてどう考えればわからない、と頓珍漢だった人が、1年で大いに成長することもあります。
さっき50案書けと言ったけど、やり始めれば案外と楽しい作業です。
僕はコピー書いている時いつもニヤニヤしているそうです。
(うわ、くっだらないこと思いついたな…)とか、緊張と弛緩を繰り返しながら書いてます。
苦しいことをさせたいわけではなく、楽しいことは努力の先にあるのだ、という経験をさせたいのです。

卒業してからコピーライターになる必要もないと思っています。
ただ、「考える」という作業は、どんな仕事にも後々役立ちます。
結果的に上手なコピーが書けるとかではなくて、とことんまで考え抜くことができる人、そういう人に応募してほしいと思います。