本年のお礼とおまけ

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本年、2015年は自分にとって非常に良い年でありました。
2月に骨折、入院と、最初の躓きはありましたが・・・後半は見事に盛り返しました。
素晴らしい出会いがたくさんあり、新年への地固めができましたし、自分がCDを担わせていただいた広告はほぼ全てが驚くべきスコアを出しました。
当然ながら、自分ひとりの力では何もなし得ないわけで、これもひとえに皆さんのご支援の賜物とホント感謝しています。
改めてお礼を申し述べます。

と、共に・・・。
自分、仕事以外の趣味は「マンガ」でありまして、自宅には8畳ぐらいの書庫が2つあるのですが、棚が埋まって床に平積みしている状態です。
そんな私が今年出逢ったマンガのうち、「これは」と感じたものをご紹介してみたいと思います。
本業とは全く関係ないですが、まあ、お礼の「おまけ」みたいなものです。
順不同で、ランキングとかにはなっていません。
カテゴリーもバラバラですし、順位を付けられるようなものではないからです。
さて・・・


主人公は高校教師。
赴任した学校になぜか珍しい亜人がいろいろいる。
頭が身体から離れて困ってるデュラハンとか、男に触れただけでイカセてしまうので地味な生活を送っているサッキュバスとか。
彼が彼女たちの人生の悩みを聞いてあげるというだけの話なんだけど、なんかモヤモヤする。
コミカルなタッチの中に、障害とか差別とかの奥深い本質が潜んでるような気がする。
まあ、難しく考えずとも、単純にキャラがイキイキしてて楽しいです。


これまでいろんな医療系マンガを読んできたけど、今のところこれが最高かな。
主人公は偏屈で、自分の判断に間違いは絶対にないと言い切る病理医。
病理医とは採取した細胞を鑑別したりして、患者の病気が何なのか突き止める医師のことですね。
裏方ではあるんだけど、その判断に基づいて医師たちは治療方針を立てる、非常に重要なポジション。
その彼が、大学病院の医師たちの甘っちょろい診断をバッサバッサと切り捨てていく。
カンファレンスを荒らしまくる。
その痛快さがたまりません。


問題ばかり起こすウエイトレスがひょんなことから札幌のラジオDJになる、という話なんだけど、トークがすごく考えられてる。
良くできてると感心する。
この作者ってこういう話作れる人だったんだ、と驚き。
「バクマン。」とか「べしゃり暮らし」とか、クリエイティブの中にクリエイティブがある、マトリョーシカ的コミックを僕はかなりリスペクトしちゃうんですけども(だってダブルのアイデア出しが必要なんですから)、これはストーリーのテンポもいいし、キャラも魅力的だし、期待度高です。


最近また、世界滅亡系マンガが増えて来たなという感があって、これもその1つなんですけど、発想がメチャメチャ過ぎて目が離せない。
そういう意味では浅野いにおの「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」も同じカテゴリーだが、こっちも別方向のメチャメチャ発想で目が離せない。
僕はもう世界滅亡系でありきたりのストーリーでは物足りない身体にされてしまった。
「インデペンデンス・デイ」の新作が公開されるらしいけど、こういったマンガを読んじゃった後だと、もはやどんなすごい映像を観たって退屈に感じてしまうんじゃないだろうか。


島原の乱を描いた歴史モノ。
どうしようもない絶望感の中にとことん落ち込んでみたい、という時にオススメです(そういう時、ありません?)。
最初からもう救いようのなさがムンムンしてて、おそらくハッピーエンドはあり得ません。
「狼の口」が好きな人はこれも必ず気に入るでしょう。


上杉謙信が実は女性だった、という様々な根拠を元に創った戦国マンガ。
まさかこの作者が歴史モノをやるとは想像もせず、独特のタッチへのアレルギーからかアマゾンのレビューでは低評価も見えるんだけど、僕はこれはこれでアリじゃないかと。
歴史群像劇として、案外にちゃんと面白いですよ。
NHKの大河って、最近は男性主役と女性主役がかわりばんこにやるようになったけど、残念ながら女性主役の年って当たらないですよね。
それはもう戦国とか幕末で女性が切った張ったできるわけがないので、無理ゲーだろと僕は思いますが、こういう話でやってくれれば面白くなるはず。


これは天才的な文学の才能に恵まれてるんだけど、アスペルガー?的な、人との接し方が異常、という女子高生の話。
完全なコミュ障なんだけどそこは全く悩んでない。
自分が必ず正しいと確信している。
そこが痛快。
「フラジャイル」もそうだけど、異常性格も行くとこまで行けば魅力になるという・・・。
それも最近のマンガの傾向かもしれません。


食料の用意ができなかったため、ダンジョンでモンスターを食いながら奥に進むことになったパーティの話。
いろんなモンスターの調理法が書いてある。
まあ面白いけど、たぶん長くは続かないんじゃないかな・・・。
でもこういった、ちょっとしたアイデアによるスマッシュヒットがいろいろ出て来る、というのも最近のマンガ界の傾向な気が。
僕は良いことと捉えてます。
多様性です。


改めて読むと、やっぱりこの人の発想力は、誰も真似できないなあと。
終わっちゃうのはホント惜しいなあと。
これからどうやって暮らしていくのかなあと。
そんな心配しなくていいんだろうけど。

ということで、多少は年末年始の暇つぶしのお役に立てたでしょうか。
来年も斬新なマンガがたくさん出て来ますように。