僕は株を買えば必ず下がり、売れば必ず上がるのだけど、服装もほぼ必ず裏目に出る。この季節は僕にとって非常に苦手な季節だ。半袖を着ていくと必ず寒く、長袖を着ていくと必ず暑い。僕の長袖半袖は、なぜかいつも世の中の人たちと逆なのだ。そしてそのうち風邪を引く。
季節の変わり目は風邪を引きやすい、とはよく言われるが、それは、寒い日に半袖を着ちゃうようなうっかりさんが多いということではなかろうか。 僕のようにいちいち何を着るか悩むのが面倒、という性格ばかりが問題なのではなく、家屋の性能が向上しているのも無視できないだろう。現代家屋の壁は昔のようにペラペラではなく、非常に優秀な断熱材でできているから、家の中では気候を感じにくくなっているわけだ。だから、今日は何となく暑そうだし、コート着ていくのも面倒だし、このまま行くか、と甘く予想して風邪を引く。
少しデカい話をすると、いま社会保障費は膨張する一途で、これをどう圧縮するかが国にとって喫緊の課題となっている。この中で、「寒い日に間違えて半袖着て引いた風邪」の医療費は案外と馬鹿にできない割合なんじゃなかろうか?医療費削減のためにも、ぜひ「長袖予報」を提案したい。天気予報で、「東京は長袖です」「埼玉はコートが必要です」と、何を着ていくべきかの予報も同時にすればいいわけだ。 ピクトグラムで長袖シャツやコートのアイコンを見せればいいだけだから、簡単にできると思う。もちろん最高気温/最低気温を見て自分で判断すればいい、という話もあるが、少なくとも僕はそこから何を着ればいいか判断つかない。つかないったらつかないのだ。そういう人は他にもたくさんいるはず。
2年前広告批評のラストイベントに招かれた時に「クリエイティブは世の中を幸せにできるか」というテーマを投げられた。僕の答は「もちろんできる」だったのだけど、これはまあその一つの例。小さなアイデアを積み重ねて日本を少しずつ良くしたいものだ。などという文章をパンツとランニング姿で打っている。
長袖予報
2011年10月16日