新年の当たり前⑤ 今年も現場行きますよ!

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ここのところ、すっかりデジタルの人間と見做されている自分ですが、そんなことはありません。

クライアントさまの課題解決のためにはデジタルも採り入れなきゃというだけのことでして、「TVCMの企画制作して」「コピー書いて」というレガシーなお仕事もフツーにやっております。
そんな中、最近びっくりするようなことを言われるようになってきました。
「えっ、小霜さん、撮影立ち会うんですか?」

ちょっと意味わからない。
サンドイッチマン状態となること多し。
CDなんだから撮影に立ち会うのは当たり前じゃん?
気になって調べてみると、クライアントのエラい人がいるところにしか現れない、つまりプレゼンと試写しか来ないCDが非常に多いらしい。
以前、エージェンシーのCMプランナーたちが勝手に打ち合わせして「確認してください」って企画を送って来たことがありました。
なんで勝手に進めてるんだ、って怒ったのだけど、彼らからするとCDは打合せに参加しないのが当たり前だったのでしょうね。
何たることか。

クリエイティブディレクターとは、クライアントに対してクリエイティブ・クオリティの保証をするのが役割。
それが、企画もしなければ撮影にも行かない、編集にも行かないではいったいどこに存在理由があるのでしょうか。
撮影で気づくことは非常に多い。
その場の閃きでいいカットが撮れることもあるし、逆に、その場の発見で炎上が防がれることもある。
そして撮影現場にいれば、どんなカットを撮っていたかわかる。
編集では監督がまず繋いだのをチェックするのだけど、うわーこれじゃなー、となることもある。
このままクライアントに見せたら揉めるの必至、大改造必要、という。
そういった時、「こんなカット撮らなかったっけ?」とCDが気づくかどうかで全然違ってくる。
だから僕は、企画打合せは自分で主導し、撮影も編集も最後までチェックします。

最近はコンサルティング的な業務も多くなってきましたが、やはり現場プレイヤーでなければ、机上論しか提言できなくなってしまいます。
僕は評論家になるつもりはありません。
そういう意味でもこれまで通り、いわゆるCM、コピーライティングといったレガシークリエイティブもしっかりやり続けなければと思う次第です。
たいへんだけど仕方ないです。
基本大阪人なので、アホなものばかり作っていたいというどうしょうもない性根もあるのですが…。

振り返れば、2018年はコンテンツの年でした。
ドラマでも映画でも主役〇〇頼みではなく、内容の優れたコンテンツがヒットしました。
これは生活者の視聴態度が全体的にLean BackからLean Forwardに変化して来ているということでしょう。
いいものは自分で見つける時代ということです。
広告においても、これからはコンテンツ=クリエイティブ主導が加速すると予測しています。
まだまだクリエイティブの現場から離れるわけにはいかないなと気を引き締めております。

ということで、新年の野心から新年の当たり前まで①~⑤を一気に書いてしまいましたが、これらを実現するためには自分一人の力では到底無理でして、皆さまのご支援ご助力をいっそう賜りたい次第です。

改めて、本年も何卒よろしくお願いいたします。

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