ベッカムのユニフォーム

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これはnp.事務所の壁にかけてあるベッカム選手からもらったユニフォーム。彼がレアル時代にマドリッドでCM撮影をした時、サイン付きでくれた。「SHIORIOKAZOO」というのは、僕KAZUYAと妻SHIORIと長女RIOと長男KAZUSHIを全部足して縮めたもの。
いつも笑みを絶やさない、気さくな人だった。子どもが大好きで、どんな子どもでも近くにいると機嫌がいい。もともとロンドンのスラムで育ち、そこからスターに這い上がった経歴があって、貧乏な家庭の子ども向けのサッカースクールを自費で開催したりしていた。 好物はピザハット。撮影現場の食事はビックリするぐらい豪華で東京で食ったらお一人様数万だろというぐらいの内容だったんだけど、本人は配達のピザハット。スタイリストがグラフィック撮影用のTシャツを選んでくれと言うので見に行ったらデカいトレーラーの中に100着ぐらいずらっと並んでいた。本人が好きなものでいいんじゃないかということになり、本人に選んでもらったらあっさり無地の白T。あの100着トレーラーはいったい何だったのだろうか。
スタジオの中で、グリーンバックでシュートするシーンを撮影していたら下に敷いていたシートがずるっと滑り、ベッカムがどってーんと思い切り転んだ。僕も含めその場にいたクライアント、エージェンシー、日本人スタッフ、 全員の心臓が凍り付いた一瞬だった。が、彼は大丈夫大丈夫と、こともなげに次のシュートを放ってくれた。皆一斉に「ほーーーっ」と胸をなで下ろす動作をした。
サッカー小僧がそのまま大きくなった、という印象だった。周囲がどんどんリッチになっていき、本人は子どものまんま。ピザハット。話し始めるとサッカーへの情熱をあのアクセントで熱く語って止まらない。
僕の印象では、清原和博、朝青龍関も似たものがあった。子どもっぽい。いいプレイができてると、超機嫌がいい。できてないと、激しく落ち込む。なんだか、見ていて微笑ましいというか。適切な言葉かわからないが「かわいい」のである。とても自分の発言に気を配れるような「大人」じゃない。
ちなみに松井秀喜は感情を外に出さないタイプのようだった。そこが人格者と言われ多くの人から愛される所以だろう。 撮影も、しっかり真面目に、何のおふざけもなく、きちんとやってくれた。
これまでいろんなスポーツ界の巨人に会い、撮影してきたが、なんだかイヤな人だなと思ったことは一度もない。