電車メシ問題あるいは北岡監督の悩みについて

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昨年末、撮影に行ったらCM監督の北岡さんが悩ましげな表情でやって来て、「今朝すごいものを見ちゃったんですよ」と言う。「唐揚げを食いながら電車に乗ってくる女がいたんですよ」と。コンビニで買ったらしき唐揚げをぐちゃぐちゃと食いながら入ってきて目の前に立ったらしい。その光景があまりにショックだったらしく、「こんなかんじで、こんなかんじで唐揚げをくわえて、」とその状況を模写して一所懸命伝えようとしてた。しかも唐揚げの臭いがくさくてたまらんかったと。
でもよく考えてみるとさあ、と僕は言った。「新幹線だと駅弁食べるじゃない。なんで東横線だとダメなんだろうか」。僕は以前、山手線で弁当を食べている夫婦を見たことがある。見事な農民ファッションに包まれた、初めて東京に野菜を売りに来ましたという風な二人だった。それはかなり奇異な光景だったんだけど、山手線で弁当食うのはおかしいという常識はいつからできたんだろうか?
それで撮影の合間に少しだけ議論になった。電車の中で食事をしていい線引きはどこなんだろうかと。席の問題だろうか。席が向かい合わせだと食っていい、という共通認識があるんだろうか。通勤電車はダメなのか?小田急なんかはどうなるんだろうか。たしか箱根まで行ってるから通勤電車と行楽列車が混ざってる。
正月、そんな話を妻にした。そしたら「食べていい電車はテーブルついてるじゃない」と。
問題解決しました。