「水道救急センター」の宣伝をしたいと思った

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大阪出張からトンボ返りで品川に着き、そこからタクシーでプロダクションに向かっていたら、妻から慌てた様子の電話が。

キッチンの蛇口が壊れて水漏れがし始めた。
メーカーのクリナップに電話したが何時間も繋がらなかった(電話サポートは「2回に1回つながる」頻度がベストと言われてます。このサポート体制は問題ありますね)。
それでネットで調べた水道修理業者に来てもらった。
その業者さんが言うには、蛇口ごと交換の必要があり、今くっついているのはINAX製だが、INAXの部品は持っていないのでTOTOに取り替えたいと。
じゃあやってくれということになったが、なぜか蛇口が全く外れない。
もう何時間もウンウンとあれこれ試しているがダメ。
かたや、ようやくクリナップのサポートに繋がった。
INAXから連絡させると言われ、INAXから電話が来たが、明日修理の下請け会社から改めて電話させると言われた。
業者は、工事部を呼んでバーナーで切らせるのでもうちょっと待ってくれと言っている(夜の8時)。
さて、どうしたらいいだろうか?と。

つまり、INAXだと修理が明日以降になる。
それまで料理ができないから家族の食事が店屋物になってしまうと(ちなみにその日、僕は昼も夕も駅弁でした)。
しかしその業者にこのまま任せるのも不安だと。
バーナーで切らせて「やっちまったー!」にならないか?
でもここまでがんばらせといて帰らせるというのも…。
僕の意見は、そりゃINAXを待つべきだと思う、もし業者に無理をされて取り返しのつかないことになったら大変だろう、と。
自分は状況を見てないしよくわからないから判断はまかせるけどもと。
わかった、じゃあそうするわということになりました。
LINEで
「明日の昼何か買ってくることになるけど何がいい?」
「カップヌードルBIG」
「それでいいの?」
「大好物」
妻は気遣いでそう言っていると受け取ったようですが、実際に大好物なのでした。
その時点で僕が気になったのは、その業者は半日も作業していたわけだから、もしかするととんでもない代金を請求されるかもしれず、無駄金だなあ、というものでした。
まあ仕方ない。
ところが、妻がINAXに任せることにすると業者に伝えると、申し訳なかったですとそのまま立ち去ろうとしたらしいんですね。
出張料金は?と聞くと、そんなの受け取るわけにいきません、と言って帰ったそうです。

で、次の日。
INAXの修理係が来て、蛇口を外してくれました。
どうもINAXは専用工具が必要で、一般の業者だとそれを持っていないからバーナーで切る以外やりようがないらしい。
しかし、交換すべき部品は「持ってない」と言うのです。
INAXの部品は取り寄せになるので4日ぐらいかかると。
さらには正規料金になるので、昨日の業者から提案を受けたTOTO製の3割引きと比べると高い。
4日も待てないしTOTOの方が安いのなら、と言うと、INAXの人も「それがいいかもしれません」と快く応じてくれ、出張料金だけ払って再びその業者を呼ぶことに。
電話するとすぐ飛んできて、取り外されたところにTOTO製の蛇口が収まって一件落着。

妻が驚いたのは、その後です。
その業者さん、INAXの領収書を見せてほしいと言ったそうです。
出張修理費、5千円。
そしたら、この5千円はこちらで負担しますと。
本来ならば、昨日の内にすぐ修理してキッチンを使えるようにしないといけなかったのに、それができなかった。
料理させてあげられなかった。
なので、これは自分たちが負担すべきお金ですと。
その話を聞いて、時間と手間がかかったことにかこつけてえらい代金を請求されるんじゃないかと疑っていた自分がなんだか恥ずかしく思えたのでした。
そもそもの料金も格安。
その業者さんは
「水道救急センター」
です。
あまりの誠実さに、少しでも宣伝してあげようと思った次第。

その業者さんもそうだけど、クリナップにせよINAXにせよ、うちに修理に来る人たちは皆さん善良なんですよね。
クリナップで浴槽を修理した時も、
「これは自分で簡単に交換できますから、僕がやると代金かかっちゃいますから、部品だけ送りますよ」とか。
正直。
なぜだろう。
世の中、それが普通なのかな。
広告業界だけが汚れきっているってこと?
わからなくなりました。
喩えて言えば、最新の蛇口が大手業者にも取り付けられなくて困った奥さんが僕に電話してきた。
僕が行って、何とかかんとかうまく取り付けて感謝された。
奥さんが、これからは何かあったら小霜さん呼ぶわと言い始めた。
そしたら大手業者、反省するどころか10人で来たということでボーッと見てるだけの人間も含め10人分の出張費を請求した上、旦那さんに、自分たちでできたのに奥さんが小霜さん呼んじゃったから混乱してしまったと嘘八百を並べ、その家にはもう呼ばれないようにする。
そんな毎日を送っている僕からすると、彼らは別世界の住人のように見えるのです。