いつの間にか本を書いていた夏

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今年の7月は人生で最高に大変な7月でした。
気を失った日も何日か。
夕方デスクの前に座りながら、気がついたら朝、みたいな。

競合プレゼンやら何やら、いろんな要因が重なってそうなるわけですが、最もヘビーだった要因はおそらくセミナー。

7月はセミナー・講演を、数えたら5つやってました。
そのテーマは全てバラバラ。
「お金をもらえるコピーライティングとは」
「そもそも広告とは何か」
「クラスター・マーケティング」(「おたく」とか「鉄女」とかある特定の趣味・性癖層にアプローチするマーケティング。小霜の造語)
「ネーミングのストラテジー」
「心理的本能を広告コミュニケーションにどう活かすか」
といった。
これらは誰でも参加できるパブリックなものですが、これ以外に企業研修などクローズドなものもやりました。

僕がセミナー・講演・企業研修を行うときに決めているルールがいくつかあります。
たとえば・・・
・本の内容を繰り替えさない。
千数百円で読んだことを数万円の参加費払って繰り返されたんじゃ、たまったものではないでしょう。
・受講者の求めるものに最大限答える。
特に企業研修などでは必ず取材して、その会社の課題に対して自分なりの提案を含めるようにします。
・常にコンセプトが新しいものであること。
じつは、これは僕がセミナーや講演を引き受ける一番の理由でもあります。
内容が斬新なものであるためにはいろんな本を読み直したり調べたり従前の準備が必要で、それが自分自身の勉強にもなるんですね。
でも、だから準備が大変なんですが・・・。

セミナーのスタイルは講師によっていろんなものがあると思いますが、僕はアドリブだと不安なので言いたいことのほとんどをスライドに書いてしまいます。
そうするとだいたい1分1枚ぐらいのペースになります。
ワークショップなどがなければ、1時間だと60枚、2時間だと120枚ぐらいがちょうどいい。
7月最後のセミナーは2時間で、140枚以上書いたらやはり時間が足りませんでした。

そして、そのセミナーが終わった後でマネージャーに言われたんですが、
「それって、もう本ですよね」
と。
確かにそうだ・・・。
140ページの本を書いたのと、ほとんど変わらんじゃないか!
長短はあるにせよ、1ヶ月で5冊の本を書いたようなもの。
そりゃ気を失うわな。

セミナーや企業研修には受講者のアンケートがありますが、おかげさまで、過去最高スコアと言われることも多く、好評のようです。
が、僕はアンケートで書かれたものは読まないことにしています。
常に新しいコンセプトでやるようにしているので、読んでも次の参考にならないからです。
それにアンケートは主催者が客寄せ戦略の資料とするためのものであって、自分はセミナーで食べているわけではありませんので。
ちなみにパブリックのセミナーは経済的には全く割に合いません。
知らない方は驚かれると思いますが、講義料は受講料一人分とほぼ変わりません。
Beatles”Taxman”の歌詞”There’s one for you, nineteen for me. Taxman!”を想い出させます。

今年の後半もセミナーや講演の予定がいくつか入っています。
いくつかお断りしたものもあります。
それは、「また同じテーマでやってほしい」というものです。
同じテーマだと自分の勉強にならず、自分にとって新しいコンセプトでないものは、受講側にとっても新しいものにならないだろうと思うからです。