官兵衛と私

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「軍師官兵衛」が終了しました。
岡田君演じる官兵衛と僕には、いくつか共通点があります。
・杖を突いている
・男前である
・コンサルである

近年の大河ドラマの中では、「軍師官兵衛」はなかなか見応えがあったように感じました。
それは、
「コンサルの悲哀」
という、一つのテーマで貫かれていたからでしょう。

僕は今年の秋から「クリエイティブ・コンサルティング」というものを掲げていますが、コンサル的なことは実質的に以前からしていました。
なので、官兵衛の苦悩はよーくわかるのです。

歴史的に見ると、軍師・参謀役はあまりいい末路を辿りません。
漢帝国建設に多大な貢献した韓信は冷遇され「狡兎死して良狗煮られ、高鳥尽きて良弓蔵され、敵国敗れて謀臣亡ぶ」という言葉を残しました。

僕も、売上げに多大な貢献をしたにもかかわらず、そのとたん「後は自分たちでやりますから」的冷遇を受けることはよくあります。
そして、またブランドが傾くと、また依頼してくるという…。

過大な期待をされることも多いです。
まるで僕が魔法の杖を持っているかのように。
打合せに行くと、誰も何もやっていない、考えていない、僕が一人で全部やるのを当たり前のように思っていたり。
官兵衛の世界でいえば、「所領1万石も与えてるんだから天下取らせてくれよ!」みたいな無理を要求する殿様もいます。

ところで「軍師官兵衛」は視聴率的には苦戦していたようですね。
でもそれは当然で、今日本で最もTVを観ているのは60代ですが、そこにウケるようになってないから。
岡田君はいい役者になってきてますけど、彼らの期待値の中にはいないでしょう。
大河ドラマはいつからか、視聴率のためにまず人気俳優を真ん中に据える、ということをやってるようですが、それは大きな矛盾に感じます。
TVを観なくなった層に支持されている俳優を持って来ても数字に影響するとは思えないし、むしろ逆効果になりそう。
それに年配のボリューム層は骨太企画を望むからです。
「半沢」「ルーズヴェルト」でどーんと行った日9枠が、「ごめんね」で5%に落ち込んでいるのはそういう理由でしょう。

僕が子どもの頃に観た「草燃える」は骨太でしたねえ。
何を考えてるかわからない頼朝役の石坂浩二、いつしか権力欲の権化になる政子役の岩下志麻。
水谷豊あたりを主役に据えてそういう骨太をやれば、一気にどーんと行くと思いますが、いかがでしょうか。