2015年5月24日
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真意翻訳家という新職種

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昨晩、医師であり畏友でもある元同級生と飲みました。 彼の活躍がないと僕は今頃この世にいなかったかもしれず、また、医療関係の案件が増えてきたこともあって、情報収集のためにも定期的に飲む。 そして、医学系の話題になることが多いです。 赤ワインを注ぎながら、昨晩はこんなことを切り出しました。 「来週さあ、神戸でプレゼンするって話したじゃん、あの、iPS関連の」 「ああ、はいはい」 「そういう仕事しながらだ、その一方でオタク系同人チェーンのコンサルとかやるかもしれんのよ」 「へえー」 「それで、おれ、自分自身のスローガン考えたんだけど・・・『再生医療から同人誌まで』ってんだけど。どーよこれ。笑わない人いないんだけど」 「・・・うーん・・・どうかなあ」 「・・・あれ、ダメかねえ。ピンと来ない?」 「・・・うーん・・・『再生医療』って言葉がねえ・・・。医学的に本来の意味からズレてるんですよねえ」 そこかよ! さすが医者というか何というか・・・いやはや、広告業界人からは絶対に出て来ない視点で突っ込んでくるのが、面白い。 彼によれば、iPSがやっているのは「再生」ではないだろうと。 普通なら1回しかできない、たとえば永久歯みたいなものをもう1回作ろうということなのだから、「再生」という表現は違うんじゃないかと。 確かにその通りだわ! 「再生」という日本語が持っている意味は、「死んでしまったもの、ダメになってしまったものを復活させる」といったニュアンスが強い。 リサイクルとかに使われる言葉。 iPSは不全を起こした臓器をリサイクルする技術ではない。 元々の英語では”regenerative medicine”となっていて、「再生医療」はたぶんそれを直訳したのでしょうが、海外でもその言葉に違和感ある医者が増えたのかどうか、すでに”tissue engineering”という言葉が主に使われるようになっているそうです。 調べたら、これは「生体組織工学」などと訳されている。 なんか違う気がする。 気になるのは「工学」。 “engineering”だから「工学」と訳したのだろうけど、英語の”engineering”には「上手に応用する」って意味もある。 “tissue engineering”という言葉を作った人の真意としては、「人間組織が持っている力をうまいこと応用することで新しい医学を開拓していこう」ってものがあったんじゃないでしょうか。 それを、「”engineering”だから『工学』でしょ」的短絡思考で訳してないか?と不安を覚えるわけです。 僕なら、そうだなあ、「生体組織応用学」とか訳すかも(医学界の人、ツッコミ歓迎です)。 周囲を見渡すと、今の日本は「短絡翻訳」だらけ。 以前もブログで言ったような気がしますが、何年か前、家族で「インディ・ジョーンズ」の最新作を観に行ったわけ。 映画の最初の方で、インディが運転する車が悪漢のトラックに突っ込んでくる。 助手席に座っているオッサンが運転手に”You don’t know him!”って叫ぶんだけど、つまり、「実はおれは昔からあいつという人間を知っている、あいつは何をしでかすかわからない無茶な男なんだぞ」と、映画冒頭でのいろんな状況説明をその一言に託してるんです。 僕はゲームや映画の脚本やったりもしてるんで、そういったシナリオの苦労と工夫がわかるんですよね。 それを縮めて言えば「あいつは何するかわからんぞ!」あるいは「あいつは無茶するぞ!」とか訳すところです。 … Continue reading

2015年5月17日
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炎上チェックライターという新職種

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最近、CMやWEBムービーが、とにかく炎上します。 社会が複雑化する中で、誤解を招くメッセージを企業が思わず発してしまう、といったケースがどんどん増えて来ています。 そういう意味で僕がずーっと気になっているCMがあります。 「ガイアの夜明け」の枠でオンエアしているこの富士通のCM。 https://www.youtube.com/watch?v=x3cRGccfY-U トンマナはとてもヒューマンで、その街の足としてずっと働いて来たタクシー運転手さんが、子どもの飛び出しを事前に察知して事故を防ぐ。 そういった経験スキルを、これからはICT技術でみんなで共有できるよ、といった主旨。 でもこれ、見方によってはとても恐ろしい内容のCMとなります。 どういうことかというと、コツコツと磨いてきた職人の技を、これからはテクノロジーで全て奪い取ってやるぞ、という宣言になっていると言うこと。 「すごーい!でも、これからは、運転手さんに代わってICTが飛び出しの多い場所だけでなく、便利でお得な情報を知らせてくれたりするそうです」と台詞で言ってますが、これでは、まさにテクノロジーによる弱者排除を加速する企業と受け取られても仕方ないです。 僕はこのCMを見た後、小さい女の子が将来データサイエンティストになり大成功を収め、そのパーティの帰り、富裕層の住む住宅地の一角でゴミ箱を漁っている元運転手と再会し、「あれ、あなたはいつも私を送ってくれたあの…」といったストーリーを妄想してしまいました。 もちろん、富士通がそんな非人間的な会社であるわけはないのに。 どこに問題があるのか? それは、「運転手さんに代わって」です。 これが、「運転手さんを見習って」なら問題ないんです。 わかりますか? その一言の違いで、「人間性排除」じゃなく「人間性共存」企業になれるんです。 僕がこのCMのCDなら、そこに気づいた瞬間、再編集を進言します。 あの女の子もそんな高価なタレントじゃなさそうだし、ちょっと呼んでそこだけ台詞録り直せば済むこと。 オフナレだからリップの問題もないし、2~3時間の作業。 このCMが問題にならずに済んでいる理由は、企業の真意を視聴者が理解しているから、といった性善説的なものではないと思います。 言っている内容が難しくて、CMの内容を理解できる人が少ないからです。 つまり運が良かっただけ。 これは、ほんの一例です。 「うわこのCM、大丈夫かね」とこっちがハラハラするもの、時々見ます。 こないだ、あるPR会社から僕にちょっと前例のない依頼がありました。 それは、PRの文言が炎上しないかチェックしてほしいというもの。 そのクライアントは目下社会的にかなりのバッシングを受けている最中でもあり…ほんのちょっとしたものの言い方も間違えられない、という話でした。 もちろん引き受けましたが、この依頼を僕の所に持って来たのは賢明と言えましょう。 大きな企業では、広告やPRを弁護士チェックにかけたりします。 ところがそこでどういうチェックが返ってくるかというと、 「妻という文字はもともと箒を持って家の前を掃除していたというところから来ているので差別用語とされる恐れがある」 とか、そういうのだったりします(これ、本当の話ですよ!)。 僕は、 「じゃあ、サッカーは古代に敵兵の首を転がしたところから始まったという話なので、非人道的行為に当たりますね」 と言ってやりましたが。 危ないものは全てNG、というやり方ならもちろん問題にはならないでしょう。 でもそれでは大事な真意が何も伝わらない、という本末転倒になってしまいます。 そこをうまくできるのはやはりコピーライターかなと思います。 ほんのちょっとした言葉のミスで、意図せずともそれが差別になったり、人権侵害になったりする、難しい世の中です。 … Continue reading

2015年5月17日
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「コシモクラウド」の初仕事

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僕が勝手に「コシモクラウド」と呼んでいる若手コピーライターグループがいます。 僕の会社に所属しているわけではなく、普段は学校に行ってたり働いたりしながら、数人で、安価で、大量にコピーを書く、というスタイルが「ソーシャルクラウド」に近いのでそんなふうに名づけました。 メンバーは、np.無料広告学校の受講生、元受講生で、学生やフリーなど自分が所属している組織に縛られずにコピーライター活動ができる者たち。 その初仕事が、これ。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150509-00083462-suumoj-life レオパレス21の新ブランドコンセプト開発・ネーミング開発でした。 社長直轄でかなり気合いの入ったプロジェクトでもあり、また、こういった不動産のブランド名称はロジカルに決まっていくものでもないため、5名ぐらいの体制で数ヶ月かけて1000案ぐらい考え、その中から100案ぐらい提出したと思います。 とても自分一人ではできない仕事で、彼らがいてくれて命が助かった感じ。 電通経由でいただいたご依頼でしたが、電通内制でも難しかったんじゃないでしょうか。 なぜこういった活動をこれまで特に公にしなかったかというと、彼らが未熟だったからです。 どの案件も結局最後は僕が書く、といったことが多く、個人的なちょっとしたサポートぐらいにしかならなかったから。 でも、最近は俄然力をつけてきて、舌を巻くようなアイデアを出してくることも多いです。 つい先日はとある企業の事業アイデアを数十案提出したら発注主は驚愕してました。 上記のネーミングは長廻君という若者が書いたものがベースになってますが、当時はまだ慶応の学生でした。 しかし僕の目から見ると、もはや大手広告代理店の10年目ぐらいのコピーライターより、時としてはるかにいいコピーを書きます。 僕はいろんなエージェンシーで企業研修をしたり、内制クリエイティブと仕事させてもらってますが、その目線でそこまで言い切れます。 1年間広告学校に通ってバーチャルのワークショップを経て、そこからリアルの仕事を手伝う、という流れがいい結果を生み出してるのでしょう。 彼以外にも、まだ20代前半だけどとりあえずプロとしてはやっていけるかな、というのが何人かいます。 ただ、僕は彼らにコピーライターになることを全く薦めてません。 広告代理店クリエイティブへの転職も薦めてません。 今後、業界の構造がどう変わっていくかわからないし、広告クリエイティブのビジネスモデルがどうなるかもわからない。 大御所と呼ばれるコピーライターが就職活動している時代です。 数年は大局を見極める必要があるだろうと。 でも、今はコピーライティング活動はやらせていくつもりです。 クリエイティブの基礎体力作りになるから。 現状、僕のサポートだけで疲弊している感もあるけど、どうしてもコピー・ネーミングの、特に力仕事的な助勢が必要、ということがあれば手伝わせるのもやぶさかではありません。 その際は僕までご連絡ください。

2015年3月30日
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CREATIVE ALLIANCE

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いま、自分はプチバブル状態にいます。 毎日のように新規案件の依頼が来ていて、基本的に仕事を選ぶことをしない自分ですが、そろそろそうも言っていられなくなりそうです。 依頼内容は非常に多彩で、通常の広告企画制作以外にも、若手クリエイターの育成、公募広告賞のアドバイス、社内ブランディング、エンタメコンテンツの監修、等々、クリエイティブディレクションとかコピーライティングとかいった幅で収まらない、いわば行間を埋めるようなものも多く「小霜さん以外に頼める人が考えつかなかった」とよく言われます。 「クリエイティブ・コンサルティング」を標榜しそこに軸足を移した作戦が当たった、と言えそうです。 1年前の今頃はこうではありませんでした。 長い入院から解放されたばかりで案件は2,3に激減し、身体も思うように動かず現場CDとしてやっていけるか不安を抱え、会社は赤字転落し銀行から多額の融資を受けていました。 業界内では「あの人はもう車椅子らしい」「もう仕事してないらしい」という噂も蔓延。 そこに来て経営パートナーから半年後に古巣の代理店に戻りたいと告げられました。 そうなると半年間は他代理店の受注を受けられないし、さらに血を流し続けることは明らか、そういった負債は自分が背負うことになるわけで、交換条件で支援策はないのかとその代理店に打診させたら「それはそっちの問題だろう」という伝言が戻って来ただけでした。 自分に残された選択肢は2つしかありませんでした。 1つは、引退。 渋谷の自宅を売っ払って会社も清算し、どこか郊外にでも引っ越して、広告業界とはオサラバしてのんびり暮らす。 もう1つは、新しいビジネスモデルで再チャレンジする。 2つめを選んだ僕が最初に相談した人がAOI Pro.の故藤原社長でした。 これからは自分が前面にガンガン出るんじゃなく、若い人を押し出す、スターにする手伝いをする、そんなポジションがいいんじゃないかと思ったんだけど、需要ありますかねえ、と聞いたら、それさ~、すっごくあると思いますよ~と、前のめりになってくれました。 そして思いがけず、 「じゃあさ~、うちと契約しようよ!」 と。 僕はこれで「いけそうだ」という自信を持った。 もしこの時「いや~どうかな~」と言われていたら、今頃僕は静岡の漁港あたりでぼんやり海を眺めていたかもしれません。 大手広告代理店が制作をインハウス化する中で、CMプロダクションは下請け発想だけでは今後縮むばかり。 広告主からの直発注も含め、自ら市場を開拓していかなければいけない。 そこに僕のような「手練れ」がいると、いろいろやりやすい、というのはあったでしょう。 ただ、彼は理屈できっちりとは考えてなかったでしょうね。 直感的に「とりあえずこれは押さえとこう」と思ったんじゃないでしょうか。 プロデューサー時代、彼は思いきったやり方で扱いを一気に増やし、社長に就任するや、誰もが驚く経営手腕でグループ全体を勢いづかせました。 いろんな人と会い、いろんな人を味方に引き入れ、その中に僕もいたわけです。 対談記事の打合せで年末に会ったのが藤原さんと会話した最後になりました。 正直言うと、僕はその時軽い嫉妬のようなものを感じていました。 なにしろ彼は全てを持っているのですよ。 あらゆる業界人からリスペクトされ、心身が気力にあふれていて、次の日の名古屋でのゴルフを楽しみにしてました。 「そういう人もいるんだよなあ」と。 僕は大病を乗り越えたものの、脚を少し不自由にするなど失ったものもありましたから。 次の日のゴルフで藤原さんはイーグルを出し、その次の日に身体が不調となり、病院でそのまま意識を失いました。 人生は不条理に満ちていて、時に人の理解を軽く超えてしまいます。 藤原さんの不幸をどう理解すればいいか、僕は医学上の意見も聞いたし、宗教上の意見も聞いたけど納得できる答えは得られていません。 この3月から中江さんの新体制が始まりました。 中江さんは藤原さんの直感経営を縁の下の力持ち的に実現化して来た人で、僕から見るとむしろこの人の方が経営者的ではあり、AOI Pro.の将来はしばらく安泰と思えます。 … Continue reading

2015年3月14日
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こうしましょう。TECDIA

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これは本にも書いたことだけど、CIというものについて実に多くの人が誤解しています。 CIとは、企業アイデンティティがその時代に合ってるかどうかを点検する作業。 もっと具体的に言うと、将来に向かってもっと効率的なビジネスモデルを構築し、それを社内外に知らしめる作業ということです。 CIコンサル会社ですらほとんどがそれをわかっていない気がします。 半年とか1年とかかけて、調査や会議を重ね、昔の電話帳みたいなレポートを提出して、企業はそれに何千万円も支払ったあげく、出て来たアウトプットは「僕らってこうだよね。世の中を良くするためにがんばってるよね」的な自己肯定スローガン。 企業側もそれで「やった感」を持っちゃうのが何とも、ハア、というかんじなのですが。 「僕らはこうだ」的企業スローガンを決めちゃうと、その企業はそこから一歩も動くことができません。 そんなスローガンはむしろ害にしかなりません。 企業スローガンをだーっと見ていくと、9割以上は害です。 企業スローガンというものは、全従業員の動きを決めるための補助線のようなもの。 「あっちに走れ」と、方向を示す旗印、ベクトルワードじゃないといけないのです。 だから、その後の活動を評価する「物差し」になれるし、従業員の「評価」に落とし込むこともできるのです。 「僕らはこうだ」スローガンでは動きも、規準も、評価も生まれません。 僕がそういったスローガンで大きく成功したのは20年前の「全てのゲームはここに集まる。PlayStation」で、これによって全ステークホルダーが自分たちはどう動くべきなのかをはっきりと認識しました。 今でも自分はCI、BIのお仕事をさせていただいてますが、やはりそれによって企業やブランドに動きが出て、成果が出る時、非常に醍醐味を感じます。 以前、TECDIAという半導体系企業のCIをやらせていただきました。 僕が提案した企業スローガンは、「こうしましょう。TECDIA」。 TECDIAはNASAやAppleにも納品している超優良企業なのですが、メーカーからの受注をこなすだけではどうしても価格競争に陥ってしまうわけで、そこから脱して付加価値を生み出すためには「こうした方がもっといいですよ」という逆提案が必須。 今後はそこを軸としたビジネスモデルに切り替えるべきであり、従業員の体質からそのようにしていこう。 そんな考えでした。 それが採用されてから1年以上経ち、どうなったかな?と気にしていたのですが、社内外に好評で、みごとに浸透しているとのこと。 社内では「おまえの『こうしましょう』を見せてくれよ」的に使われてるとか。 「おまえにアイデアはないのか」よりも言い方がマイルドで、従業員を提案体質に教育するのに役立ってるそうです。 こういう話を聞くと、非常にコピーライター冥利に尽きます。 先日、就活学生向けのイベントがあって、そこで小山社長が学生たちに話した内容を、社長の了解を得て、紹介してみたいと思います。 ******************** こんにちは。テクダイヤの小山です。簡単ですが挨拶をさせていただきます。 今年の就職活動についての報道は、皆さんも目にしていると思いますが、「大企業狙いの安定志向」と言われています。本当かよ、とは思い皆さんの顔を見れば、そんなわけはない、という顔を見て安心しています。一生懸命勉強してきて、やっと社会に出るというときに、安定志向なんて冗談じゃない、と思っていることでしょう(うん、うん、と何人か頷く)。 こうやって皆さんの顔を見ていると、じゃぁあの報道はなんだったのか?と思います。大企業側のプロパガンダか、と(笑。ただもっとよく考えると、それは学生側に興味深い企業がない、選択肢がないということだと思うのです。もし日本にイーロン・マスクのテスラモータースが、ジャック・マーのアリババが、アマゾンが、アップルが、シャオミがあったらどうなっていたか、誰もが大手企業を目指すわけではないでしょう。つまりあの報道の真相は、日本の産業界の衰退を学生が察知しているのかと思ったわけです。もしこの推測が正しいなら、ちょっと待てといいたい。中にはちゃんとやってる企業もあるぜ、とそれが言いたくて、私は今日ここに来たわけです。 さてテクダイヤはどんな会社か。それは10分の時間では語りつくせない、だからお配りした会社パンフを持ちかえって、どうか帰りの電車や家で読み返してください。この中にはわたしの考えを出来るだけ詰め込みましたから。 たとえばこのシンプルな表紙にも意味はあります。「あなたのこうしましょうを聞かせて。」と書いてあります。もちろん求める人材像なのですが、「こうしましょう」とはどういう意味か。これはつまり、自分で考えて提案する人ということです。だからその対極は「わかりました」の人。学校で先生から、「この作業をこのようにまとめて、いつまでにレポートにして提出しなさい。」と言われるでしょう、そのときに「わかりました」といって先生の教えに従順に正確にやる人が「わかりました」の人。これだとA評価、または100点狙いの作業。作業内容はイメージできているから、100点取れずとも90点以上は固いわけです。 で、一方「こうしましょう」の人は、言われたとおりやるのじゃ面白くない、どうせやるなら自分のアイデアを盛り込んで、オリジナリティ溢れるレポートを作成しようとする人。いってみれば100点超えの130点狙い、あるいはナンバー1、オンリー1。でもリスクも背負うから、成功すれば130点獲得だけど失敗すれば60点、落第する。先生からは「おまえ、何聞いてたんだ」と頭を小突かれるかもしれない。 テクダイヤは、「こうしましょう」の人の60点は、「ナイストライ」「ナイスチャレンジ」とする。怒らない、叱るけれども未来に繋げるための説教をするわけです。そして90点じゃダメ、130点を狙いにいく事を推奨するわけです。だから「こうしましょう」の人が欲しい。 表紙の下にはTECDIAのロゴがある。その上に「こうしましょう」と書いてあります。 この垂れ幕にも「こうしましょう」が入ってる。WEBにも入ってる。余程の理由がない限り、TECDIAの社名には「こうしましょう」がくっついている。つまり「こうしましょう」は、就活生の皆さんを引っ掛けるためだけのスケベなコピーじゃなく、わたしたちも社会に対して130点狙いの「こうしましょう」をしていきますというコミットメントなわけです。 では何故リスク背負った130点を狙わねばいけないか?答えはそれがグローバル競争の勝ち方だからです。たとえばアップルが「この作業をこのようにまとめて、いつまでにサンプルを提出しなさい。」と言います。それに応えようとするのは、日本企業だけじゃなく、台湾も韓国も中国も、タイもベトナムも世界中の企業がそこにこぞってきます。そして選ばれるのは1社、たった1社だけです。95点はおろか、100点でも採用されない。そこに採用されるのは130点の企業1社だけだからです。ならば60点も100点も一緒、同じ落第。だから100点狙いの99点A評価よりも、130点狙いの60点落第のほうが賞賛されるのです。学校とは違った世界で戦うときには、「わかりました」ではなく、「こうしましょう」が推奨されるのです。その行動指針をわたしたちは社会に約束、コミットしています。 中面を開いて最初。「社長にズケズケとモノを言う・・・」と書いてありますよね。 「こうしましょう」は、あなた方学生や社会に対してだけでなく、当然社内にも推奨されています。だから帰ってからよく読んでください。 また最後のほうには、「こうしましょうの人には、人と情報がついてくる・・・」が書いてあります。この意味は、あなたたちの子どもの頃を思い返してみてください・・・・、「今度の日曜に映画に観に行かない?」「何観る?」「○○を観ようよ。」という、「こうしましょう」。他にも「次の休み時間何して遊ぶ?」「ドッヂボールにしようよ。」という、「こうしましょう」。こういう些細な「こうしましょう。」があったと思うけど、その人には仲間が集まっていませんでしたか?そして仲間が集まるから、情報が集まってませんでしたか? そう、「こうしましょう。」を言える人には、仲間と情報が集まるんです。この仲間と情報、社会に出て成功するために絶対に必要なモノですよ。あなたたちは理系として、社会に出て何らかの社会に影響を与えるモノをプロデュースしようとしているでしょう、それって独りぼっちでやってもダメですよ、外界を一切遮断して作って、「出来た!」って穴ぐらから出てきても、そのときは他の誰かがすでに作っていたり、時代が変わっていたり。だから仲間と情報が大事なんです。テクダイヤは、「こうしましょう」をいえるようになるための、組織風土と研修がありますから。そして会社だけじゃなくて、オフ、つまりプライベートも充実するような考えがありますから。人生を最良のものにして、ワークライフバランスを大切にして欲しいと思っている会社です。 … Continue reading

2014年12月31日
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2014年 あのヒットの真相はこれだ

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2014年、いろんなヒットがありました。 「アナ雪」、「妖怪ウォッチ」、etc….。 これらがヒットした理由がいろいろと語られてますけども、全てに共通する最も大きな要因があります。 「運」です。 100パーセントが運によるものではないと思いますよ。 でも、いわば50パーセントは運。 人間が企画する以上、当たり外れにはどうしたって運が影響します。 ただ、これらの企画は運任せの部分を50パーセント程度に抑えたのです。 そこを見習うべきと思うのです。 ディズニーは親子マーケティングをずっとやっていたし、レベルファイブも地道にいいソフトを作り続けていて、それらがたまたま今年花開いた。 もし地道な努力をし続けなかったら、何年経とうが何の成果も出なかったはず。 ヒット番付を見て学ぶものは、近道の仕方じゃない。 大きな成功を収めた企画のほとんどは、自分の信じる努力をずっと続けてきた結果です。 今年の秋から「クリエイティブ・コンサルティング」というものを始めました。 経営者によってはものすごく過度な期待をする方もいます。 絶対ヒットさせてくれるんだろうな、的な。 たとえ1億円/月の報酬をもらったって、僕が人間である以上、そんなことは不可能です。 しかし100パーセント運任せにはしない。 しっかりと考えたり調べたりしていくことで、運の部分を50パーセントに近づけていくことはできるかもしれない。 それがコンサルというものと思っています。 自覚すべきは、自分たちは神ではない人であると言うこと。 運のダイスを振るのは自分たちではない。 だから、いい目が出るまで努力し続けるしかないと思うのです。 これを読んでいる皆さんのほとんどが、地道に毎日をがんばっている人でしょう。 今年はたいしたことができなかった、来年こそやるぞ、と念じているでしょう。 来年もダメかもよ。 でも、そのうち花開くでしょう、きっと。

2014年12月22日
by kossii
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官兵衛と私

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「軍師官兵衛」が終了しました。 岡田君演じる官兵衛と僕には、いくつか共通点があります。 ・杖を突いている ・男前である ・コンサルである 近年の大河ドラマの中では、「軍師官兵衛」はなかなか見応えがあったように感じました。 それは、 「コンサルの悲哀」 という、一つのテーマで貫かれていたからでしょう。 僕は今年の秋から「クリエイティブ・コンサルティング」というものを掲げていますが、コンサル的なことは実質的に以前からしていました。 なので、官兵衛の苦悩はよーくわかるのです。 歴史的に見ると、軍師・参謀役はあまりいい末路を辿りません。 漢帝国建設に多大な貢献した韓信は冷遇され「狡兎死して良狗煮られ、高鳥尽きて良弓蔵され、敵国敗れて謀臣亡ぶ」という言葉を残しました。 僕も、売上げに多大な貢献をしたにもかかわらず、そのとたん「後は自分たちでやりますから」的冷遇を受けることはよくあります。 そして、またブランドが傾くと、また依頼してくるという…。 過大な期待をされることも多いです。 まるで僕が魔法の杖を持っているかのように。 打合せに行くと、誰も何もやっていない、考えていない、僕が一人で全部やるのを当たり前のように思っていたり。 官兵衛の世界でいえば、「所領1万石も与えてるんだから天下取らせてくれよ!」みたいな無理を要求する殿様もいます。 ところで「軍師官兵衛」は視聴率的には苦戦していたようですね。 でもそれは当然で、今日本で最もTVを観ているのは60代ですが、そこにウケるようになってないから。 岡田君はいい役者になってきてますけど、彼らの期待値の中にはいないでしょう。 大河ドラマはいつからか、視聴率のためにまず人気俳優を真ん中に据える、ということをやってるようですが、それは大きな矛盾に感じます。 TVを観なくなった層に支持されている俳優を持って来ても数字に影響するとは思えないし、むしろ逆効果になりそう。 それに年配のボリューム層は骨太企画を望むからです。 「半沢」「ルーズヴェルト」でどーんと行った日9枠が、「ごめんね」で5%に落ち込んでいるのはそういう理由でしょう。 僕が子どもの頃に観た「草燃える」は骨太でしたねえ。 何を考えてるかわからない頼朝役の石坂浩二、いつしか権力欲の権化になる政子役の岩下志麻。 水谷豊あたりを主役に据えてそういう骨太をやれば、一気にどーんと行くと思いますが、いかがでしょうか。

2014年12月13日
by kossii
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2014.12.06 出版記念セミナー

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先週、南青山会館で出版記念セミナーを行いました。 出版がらみのイベントはだいたい入場者50~60人が相場らしいのですけど、この日は250人。 大きめの会場でしたがピチピチ状態でした。 ありがたいことです。 宣伝会議のセミナーは撮影禁止、SNS禁止が常だそうですが、これに関してはどっちも許可。 あちこちでけっこうな数の投稿があったようです。 その中で、すごい「まとめ」があったので紹介します。 http://tacrow.com/?p=11210 微妙なニュアンスの違いは少しあるけど、ほぼ完璧に主旨がまとめられてます。 雑誌の編集者が取材する時だってなかなかこちらの意図通りには整理してくれず、かなり赤を入れたりすることが多いのに。 「聴く力」がある、つまり優秀な方なのだと思われます。 ここのところ、講演やセミナー、取材の申し入れがかなり来ていて、企業内研修の依頼もあります。 そうなると自分が教えていることは果たして正しいのか?価値があるのか?と、足下がぐらぐら感じてきたり。 ただ、先週のセミナーに来場してくださった250人の方々、その喜んでいた様子を見ていると、そんなに間違えてないかなという気もして来ました。 ホントありがとうございました。

2014年11月3日
by kossii
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自分の本の「コピー」の話

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先週発売した「ここらで広告コピーの本当の話をします」ですが、予約開始日からAmazonの広告宣伝カテゴリーでずっと1位、書店の引きも良く、おかげさまで出だし好調のようです。 その勝因はおそらくただ1つ。 「コピー1本で百万円請求するための教科書」という帯コピーでしょう。 僕は本の中で広告コピーのベースとなる戦略の重要性を書いていますが、それになぞらえて、この帯コピーに込めた作戦をここで紐解いてみます。 まず、主ターゲット。 これは若手コピーライター、コピーライター志望者としていますが、正確には「ビジネスがうまくいってないと感じているコピーライター」です。 「コピーがうまく書けないと感じている」人たちではないということ。 USP(Unique Selling Proposition)。 これは、「コピービジネスがわかる」コピー本ということ。 コピーライターたちが書いて来た今までのコピー本は、こうすればコピーがうまくなるとか、自分はこんなふうに書いて来たとか、そういう内容のものばかりですが、そういうものとは切り口が違うわけです。 若いコピーライターを見ていると、「自分はコピーが書ける」と思ってる人はとても多いように感じます。 けっこう自信満々。 でも実際の現場では、まったく自分の案が採用されなかったり、ぜんぜんお金がもらえなかったり。 養成講座では金の鉛筆もらってほめられたのに、これはどうしたことか、糸井さん、仲畑さんの時代は1本1千万円とか聞いてたのに、この差はなんなのか、わけがわからなくなっている。 そういう人たちがあの帯コピーを見て、「これだ」となっているのでしょう。 つまりコピーが、主ターゲットにとって、商品の価値を創っているわけです。 もし帯コピーが「〇〇さん推薦!こういうコピーの書き方があったのか」みたいなものだったら、「またか」「もういいよ」となっていたかもしれません。 つまりそれではターゲットにとって価値がないということです。 本の中で書いた、「コピーが価値を創る」という意味が、わかってもらえるでしょうか。 余談になりますがこの発想はもともと僕のものではなく、宣伝会議さんのものです。 若いコピーライターたちがビジネス的に行き詰まっている様子に心を痛めていて、そこを何とかしたい、という依頼だったんですね。 そこに、ちょっと愛のようなものを感じました。 僕はそれを本というカタチで整理し、そのコンセプトをコピーにしただけ、とも言えます。 個人的には読者は広告会社の営業さんなど、業界全般を意識してます。 そういう内容にもなっています。 ただターゲットを広げすぎるとかえってシュリンクしますので、そこは表には打ち出してません。 前著が出版社の意向で一般人にも広げようとしたら大外ししましたし…。 それもまた戦略です。

2014年11月2日
by kossii
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Tポイントにコンサルティングしたい

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Tポイントが突然個人情報の第三者提供を始める、ということでネット上で騒動になってます。 でもこの話、かなり誤解がありますね。 個人情報提供は、ずっとやってたんです。 と言うか、それをやらなければ共通ポイントは成り立たない。 TポイントやPontaのような共通ポイントは、お店のスタンプ的ポイントとはちょっと違ってて、顧客の囲い込みだけを目的としてるわけではありません。 消費者の購買パターンを解析して、そのデータを加盟企業間で共有するところに意味があるわけです。 いわゆるビッグデータです。 わかりやすいのはPontaの例ですが、これ、もともとはローソンのポイントシステムだったものを三菱商事が譲り受け、新しい法人を設立、そこがデータを管理・解析して加盟企業に販売するというカタチを取ってます。 加盟企業のメリットとしては、そのことによって商品やサービスが絞り込める、無駄な在庫がなくなる、など、つまりビジネスの効率が良くなるということです。 最近、お店に行くとやたら「ポイントカードお持ちですか」と聞かれるのは、とにかくビッグデータを取れという大号令がかかってるからなのです。 ではなぜ今頃、Tポイントが誤解を受けるような「第三者提供」などと言い出したのか? 僕の憶測ですけども、Tグループの中で、ポイントが絡まない企業にもそのマーケティングデータを与えよう、という動きがあったのではないかと。 そうすると、これまでの「共同利用」という規約の枠から外れるぞと。 正確には、個人情報、共通ポイント加盟企業間ではこれまで通りの利用をします、ポイント加盟してない企業でも利用したいんだけど、そこはいちおう拒否できるようにしときましたよと。 そういうことだと思うんです。 僕がこの騒動を見て感じたのは、Tポイント、なんで誤解受けるような表現をしたかなと。 いきなり「第三者提供」なんてバーンと表に出すと、騒ぎになるに決まってます。 こういうところに必要なのはBtoCクリエイティブの知見です。 そこが足りなかったんじゃないかと。 実は、本のあとがきにも書きましたけど、ずっと休眠状態だった「(株)小霜オフィス」を復活させて、クリエイティブ・コンサルティングの会社として再開することにしました。 公式には11月からですが、水面下ではすでにいくつかの企業さまから受注をいただいています。 これまでのクリエイティブディレクター/コピーライターという肩書きでは入っていけないところにも入っていけるようになりました。 本当に様々な課題、いろんな依頼がありますねえ。 企業活動のいろんなところでBtoCのクリエイティブ目線が必要になってきているのを、肌身で実感しています。 なんでそういうことをやろうと思ったのか、どういうことを目指しているのか、といった詳細はまた項を改めて…。