2017年7月3日
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新著発売されました

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  7月1日に小霜の3冊目となる新著が発売されましたので、そのご報告です。 急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。(宣伝会議) いま広告業界では広告主にもエージェンシーにも「デジタルシフト」の大号令がかかっています。 ただ、そこにはいろんな課題が複雑に絡まっていて、業界として足踏み、もしかすると衰退さえしているように見えます。 ・デジタル広告(≓マス広告とWeb広告の統合、あるいはWebのマス広告的活用)の設計についての知見不足 ・Web動画に対するリターン期待値の不確実性 ・マス系人材(主にクリエイター)とWeb系人材(主に運用者)の分断 といった数々のハードルを乗り越えながら次の広告コミュニケーションをどう最適化すべきか。 クリエイティブという立場から、自分が成果を上げてきた実例を交えて解説しました。 自分はもともと(というか今も)マス系の広告クリエイターとしてテレビCMばかり作って来たのですが、早い段階からデジタルの仕組みに興味があって、手探りでデジタルシフトをやって来ました。 ようやく昨年頃からデジタルで商品を売るためのやり方について、確信めいたものを得られるようになりました。 前著「ここらで広告コピーの本当の話をします。」はいろんな方々に語り尽くされてきたコピーライティングやブランディングといったものを自分流の視点で定義し直すことで、業界内で大きなヒットとなりました。 今回はおそらくまだ誰も体系立てて語ったことのないデジタルクリエイティブのあり方について初めて語る試みです。 その理解の第一歩として、「Web動画」という成果の不確実なものを「WebCM」という確実性の高いものに進化させるためにはどうすればよいか、というところから説明を始めます。 おかげさまで、予約開始と同時にAmazonのマーケティング・セールスカテゴリーで第1位となっています。 「アドバタイムズ」でこの本に絡めたコラムも始めましたがそちらも大きな反響が寄せられているようです。 第1回「マス系とWeb系はさっさとベッド入りなさい。恥ずかしがってないで。」 https://www.advertimes.com/20170626/article253071/ もし手に取っていただければ(社内の回し読みでもいいです!)、そしてもしご感想などいただければ、望外の喜びです。 何卒よろしくお願いいたします。

2017年6月20日
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宣伝会議からの告知(小霜の新著)について修正

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ご無沙汰しております。 ブログを書くのはちょっと久しぶりとなりますが、その理由は新著を執筆していたからです。 仕事の合間を縫うように書いていたもので、とてもブログまでは余裕がありませんでした。 その新著「急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。」ですが、いよいよ7月1日発売となります。 汐留や赤坂などの一部書店では前日から並んでいるかもしれないので、早く手に入れたい!というイラチな方はそちらを覗いてみてください。 さて、一昨日、宣伝会議からのメルマガでその新著の予約販売開始告知が配信されました。 ただその中の、本の解説については僕の確認を取らずに書かれたもので、本の主旨とズレています。 なので、ここで修正したいと思います。 まず、「デジタルでマスの代わりができる」といったタイトルになってましたが、確かに商品、ターゲットセグメントによってはWebはマスの代替となり得る、と本で書きました。 しかしそれは内容の一部であって全部ではありません。 もうマスなんて古い、これからはWebだけでOKさ、なんて主張と捉えた方も多かったのではないかと危惧しているわけです。 そんな手垢のついた、インチキ情報商材みたいなことを言うわけがありません。 書いた内容はそれと真逆です。 Webが逆立ちしてもできない、テレビCMじゃないとできないこともあるし、その逆もあります。 この本の主旨は、マスならではの特性、Webならではの特性をもう一度捉え直してそれらを統合することで成果につなげよう、ということで、それをクリエイティブの視点から書いたわけです。 マスとWeb統合の第一歩は、Web「動画」という不確実なものをWeb「CM」という確実性の高いものにしていくことと思っています。 事例なども多数引用しながらそこを解説しました。 それをやることによって、マスとWebは横つながりの、一続きのものになれるということです。 現状、アマゾンなどに書かれてある解説文などもちょっとおかしいので修正依頼をかけているところです。 ともあれ、Web動画というものについてどうしたらいいかと悩まれている方は多いでしょう。 その救いの一つになるのではと思っています。

2017年1月4日
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謹賀新年 : 今年の小霜は

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  A HAPPY NEW YEAR!   2017年が皆さまの羽ばたく年となりますよう! (この絵はサビニャックが自身の年賀状用に描いたものだそうで、原画がうちの階段に飾られてます)   リンダ・グラットン「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」には、これからは新しい3つのステージが人生に登場するだろうと書かれています。 いろんな他者の人生や多様性に触れながら自分のアイデンティティを探す「エクスプローラー」ステージ。 自由と柔軟性をもって小さな創造的ビジネスを起こす「インディペンデント・プロデューサー」ステージ。 人的ネットワークやスキルの蓄積を元に多種類の仕事を同時に行う「ポートフォリオ・ワーカー」ステージ。 なるほど。 人生100年となると、教育-仕事-老後という一直線のリニアな生き方ではなく、ノンリニアなマルチステージ時代になるのは間違いなさそうで、こういった新しいステージも100年の中のどこかで取り込んでいく必要が出て来るでしょうね。 しかしよく考えてみると、これらは「ステージ」なんだろうか…? 自分がいま進めている広告クリエイティブビジネスは、これらが同時に入り混じって成立しているような気がします。 うーむ、いつの間にか時代の先取りしてたのか…要は「その調子で行け」ってことか…とポジティブ解釈して、2017年も現在のやり方を一層押し進める方向で行こうかなと考えております。 具体的には、 ・デジタルクリエイティブ ここにさらに力を入れます。 現在、マスとデジタルを統合する役割としていろんなエージェンシーさんとアドバイザリー契約を結んでいます。 春にはこのテーマで新著を出す予定です。 ・カルチャーメイキング 以前は広告によって商品が生活カルチャーを生み出すのだ、という意識がありました。 人々の生活習慣から新しくしてしまおうという熱量が。 今年はもう一度そういう失われつつあるスタンスを取り戻しながら案件を見ていこうと思います。 ・ソーシャルソリューション 医療・健康、エネルギー、地方創生、etc. いろんな社会課題系コミュニケーションのご依頼がありますが、今年は本腰を入れる年になりそうです。 そのための勉強もますます必要です。 ・スターメイカー 自分が前に出るのではなく、若いCDを前に立てて自分はバックアップ役に回る。 50歳を過ぎた頃からそういうポジションで仕事したいと思ってたのですけど、いくつかカタチになってきました。 もっと増やしていきたいですね。 ・フィクサー 僕の会社の標語として「ワンストップからノンストップへ」というものがあるのですけど、もはや総合系エージェンシーのトップでもコミュニケーションの全てを担い切れない状況です。 クライアントの課題を解決するために自分がハブとなって、いろんなエージェンシーや組織、スペシャルパーソンをチーム化するという役割も担うようになってきています。 … Continue reading

2016年12月30日
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今年のシメ : 障害について思うこと

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今年のシメに、何か書こうかな。 振り返るといろいろ書きたいことあるなー、と多少逡巡しつつ、障害をテーマにいま感じてることを書くことにしました。 障害者の大量殺人など刮目すべき事件もあり、障害について世の中が考えさせられる年でもありましたしね。 僕は「視覚障害者のホントを見よう」など、障害者の社会復帰運動をサポートしています。 また社会課題解決型の仕事をいくつかやらせてもらってるんですが、そこに障害者の存在をどう考えるか、が関わってくることもあります。 それで社会活動家の方々からお話を聞くことあるんですけども、こういった主張をされることが多いです。 「障害者を特別扱いするな」。 障害者、健常者、と区別すること自体おかしいのだ、と。 その区別が差別の元になるし、障害者に自分を一段劣った存在だという思い込みを与えてしまうのだ、ということです。 同列の人間として扱うべき、なんなら障害者という呼称自体なくしてしまってもいい、ぐらいの。 僕も障害者の端くれ(?)ですが「自分を障害者だと思ってはいけない」と言われたこともあります。 オリンピックとパラリンピックをいっしょにすべきという意見はこの延長線上にある気がします。 考え方として、頷ける部分は大いにあります。 どんな人であっても人間として等しく価値を持つのだ、という理念は美しく、「障害は個性だ」という言い方もよく聞きますが、生物の生存に欠かせない多様性の現出なのだ、とまで思考を行き着かせることもできます。 ただ、こういった「障害者も健常者も区別するな」といった言葉は、健常者から聞きます。 障害者から聞いたことは、僕はまだありません。 その理由の一つはきっと、そこに現実的なジレンマがあることを知っているからでしょう。 僕は3年前に肉腫の大きな手術をして以降、左脚が多少不自由になり、下肢障害4級の障害者手帳をもらっています。 それと同時に警視庁に申請して、公道に駐車できる許可証ももらいました。 こいつが大活躍で・・・。 いろんな制約はあるし、僕もなるだけ交通の邪魔にならない場所を選んで停めるのですが、それでもかなり便利です。 目的地のすぐ近くに停められますから。 僕は打合せやらプレゼン、編集やらで、多い時は1日に4~5箇所ぐらい車で移動しますが、障害者になる前と比べて移動効率は格段に上がってます。 今年は19年前に独立してから最も売上げの高い年になりまして、それはもちろん皆さまのおかげなのですが、こいつのおかげもけっこうあるかな~と。 僕の会社には僕が働けなかった頃に生じた欠損金がかなりあったのですけど、それも消化してしまったので、この調子で行けば来年あたりはとんでもない税金を払うことになりそうです。 逆にもしこの許可証がなかったら? 仕事の効率は格段に落ちるでしょう。 駐車場から目的地まで歩くのが大変です。 駅やバス停まで歩くのも大変ですから、電車やバスを利用するのは現実的ではありません。 そして、稼ぎが落ちて、納める税金が下がる、あるいは働くのをやめちゃった時、僕は社会を支える側から支えられる側に回ることになります。 健常者、大損です。 それに僕は12月30日にこんなものを書いていて、てか、これは早くやっつけちゃって次の本の執筆に移らねばとジャストナウ焦っているぐらいの仕事人間なので、働かないで皆さんに養ってもらう状態は決して幸せなことではありません。 何が言いたいかというと、障害者と健常者を区別する制度は、一方的に健常者が障害者を養うためだけにあるのではなくて、障害者の方も社会に益する、そして自尊心を保つことができるという幸福な関係を成り立たせてもいるということです。 だから、人々の心性的に区別をなくそう、というのは非常に正しい。 社会システムとして区別しなければいけない、というのも非常に正しい。 でも「システムとしては障害者だけど意識としては障害者と感じるな」というのは、けっこう難しいことですよ。 そのジレンマをどうするのか、が課題であると思っているわけです。 それを解決するヒントがありました。 東大の中邑教授の講演で、目鱗が落ちた気がしました。 「近視の人が眼鏡をかけて普通に生活をしている。これを障害とは呼ばない。障害のある人が義足などのデバイスをつけて普通に生活できればそれはもう障害者ではない」。 … Continue reading

2016年11月18日
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「社訓」は更新するもの

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電通「鬼十則」が社員手帳から削除されるというニュースが業界内で話題となっています。 広告業界人の大方の意見は、 「それはおかしいだろ」 というもので(と言うよりそれ以外のものを目にしない)、競合エージェンシーの社員たちですら違和感を口に出しています。 思うに、あれは広告業の仕事哲学のようなものです。 仕事への向き合い方をどう考えるべきかが主に書かれているわけで、過労死の原因に直結しているかというと僕も疑問に感じます。 ただ、今の電通に必要な社訓として機能しているかというと、僕はそこにも若干の疑問を覚えるのです。 C.I.(コーポレートアイデンティティ)とは、新しい時代に向けて自分たちがどうあればよいか、どの方向に向けて走ればいいか常に点検しようというもので、どんな企業にも必要な考え方です。 そして、その上位理念を具現化するためにはそれに沿った人事評価の見直しがなければならず、そこには社員の行動規範を示す「社訓」の見直しも含まれなければいけません。 たとえば昨年、大手CM制作会社AOI Pro.の新しい企業スローガンを作らせていただきました。 「Creative Alliance」 というものですが、クリエイティブを中軸に置きながらも、様々な産業やベンチャーとつながっていくことで新しい事業創造のできるグループに脱皮していこうという企業姿勢を示しています。 実際、AOI Pro.はいろんな企業を統合したり、TYOとホールディングスを作るなど、総合クリエイティブグループとしての進化を加速させています。 そして、その新しい企業理念を現場の動きに落としこむために社訓を一つ増やしました。 「出会いに臆するな。」 というものです。 広告制作という枠に閉じこもらず、どんどん新しい出会いを見つけていこう、そして、そういう社員を会社は評価するぞ、とここで明言しているわけです。 また以前C.I.作業をやらせていただいたTECDIAという電子技術系企業の社訓も、今年作らせてもらいました。 社員の行動規範が非常に多岐に渡っている上に難解で、なかなか浸透しないという悩みをお持ちでした。 で僕は、「カツカレー」「自転車」「跳び箱」「孫の手」の4つの単語を会社の壁に貼っといてください、と提案しました(実際に今、会社の入り口に綺麗にデザインされて貼られています)。 それぞれに意味があります。 「カツとカレーという異文化が出会うことで人類は未体験にして究極の味、カツカレーを生み出した。異なる文化を持つ社員がぶつかり合うことでイノベーションを生むのだ」 とか。 「誰でも最初は補助輪を付けたり親に支えてもらって自転車に乗れるようになった。新人には会社が補助輪を付けて支えるが、いつかは自走しなければいけない」 とか。 僕が考えたのは、どの言葉にも気持ちよさが必要だろう、ということでした。 気持ちいい言葉は誰にも無理なく、自発的に覚えてもらえます。 会議でも「今のアイデアはまだカツが小さいな・・・」なんて使われるようになります。 そうすることで社内に浸透させていこうという作戦です。 そしてこれも、事業の内容が変化し、また従業員の構成も変化する中でのC.I.から落としてきたものです。 かく言う僕の会社にも社訓めいたものがあります。 「ワンストップからノンストップへ。」 というものなんですが、7年ほど前、no problemを設立した時点で目指していたのはクリエイティブの全てを一括で受注できる組織でした。 その頃はあらゆる仕事を自分の会社に落とそう、という意識でがんばってました。 しかし、それを真逆に切り替えたんです。 もうそういう、一つの組織で全てをこなせる時代じゃない、と感じるようになって来たからです。 … Continue reading

2016年11月16日
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広告は課題設定が9割

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僕は無料広告学校というものを主宰しています。 月曜日の夜19~21時で十数名を相手に広告の基本的なストラテジーの考え方とクリエイティブについて教えてます。 今期は自宅の近所にある町会の集会所をお借りしてます。 その分、受講生たちに神輿のポスターを作らせたり、実際に参加させたりなど町会の手伝いをするということで。 これまでは講義が終わった後はケータリングで軽く飲んだり食べたりしていたのですが、集会所をあまり長く借りたり汚したりもできないので、今期からは2人ずつぐらいの少人数で、近所の料理屋で彼らの個人的な悩みを聞いたり質問に答えたりしています。 昨晩はあるコピーライター志望者から宣伝会議賞について聞かれました。 「防災意識を高めるコピー」というお題があったそうなのですが、何やらモヤモヤしたものがあったようで、それについてどう思うかと。 僕は、 「プロならそういうお題は出さない」 と答えました。 そのコピーから、いったい何が課題なのか読み取れない。 だから成功したかどうか評価する基準も生まれない。 と。 日本は定期的な震災に見舞われる国です。 その被害を最小限に留めるために、やらなければいけない課題は何なのか。 たとえば防災グッズ一式が一家に一つあるだけでずいぶんと違う、ということなら、防災グッズの普及率の低さが課題だ、ということになりますね。 ならば「防災グッズを普及させよう」というのがお題であるべきです。 そうすれば評価の基準もハッキリします。 極端な話、そのために「防災意識」というのは不要かもしれません。 防災グッズは普段の生活でこんな役に立つよ、といった価値観の作り方でもかまわないわけです。 いざという時にその家に防災グッズがあればよいのですから。 仮に、「成人病の怖さについて意識を高めよう」というキャンペーンがあったとします。 そのキャンペーンが功を奏して、成人病とは何と恐ろしいものかという意識が根付いたとしても、それだけでは誰の何の利益にもなりません。 人々が動いてナンボなんです。 そのためにまずやるべきことは、やはり課題探しです。 もし健康診断の受診率が低すぎる、という課題が見つかったとしたら、お題を「健康診断の受診率を高めよう」と言い換えるべきでしょう。 そこに向けて人々を動かすための手法はいろいろあるはずです。 インセンティブを与える、でもいいし、わざわざ行くのが面倒だと考える人が多いのなら、生活動線の中に置けないかという発想でもいい。 いまパチンコホールで健康診断を実施していたりします。 受診する人は無料で、実施する会社はホールからお金をもらいます。 パチンコホールは暇をもてあます高齢者が集う場所となりつつあるので、どうせ無料ならと、彼らは健診を受けるんですね。 それが集客にもつながるので、ホールも潤うという仕組みです。 そういうやり方でも結果オーライなら全然かまわないし、人々を動かすためには広告人にもそのぐらい柔軟な視点が必要な気がします。 僕はいろんな企業からコミュニケーションのご依頼を受けますが、課題のはっきりしないオリエンが多いです。 ふわっとしてるんですね。 少子高齢化の影響は散々言われていることですが、ここ数年の内需の落ち込みは肌感としてかなりキツいものがあります。 生活者の経済格差も激しく、僕らがターゲットとする層は財布の紐を締める一方。 政府の思惑を余所に売りの現場でデフレは進行し続けています。 なので企業も「どうしたらいいんだ」と焦るばかりで、その焦りやこうありたいという願望が戦略とごっちゃになったまま提示されるのです。 こちらからすれば、ふわっとした状態からご相談されてもいいんです。 … Continue reading

2016年7月13日
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どうやれば民進党は勝てたか

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広告業界では、広告の扱いを受注するためにしばしばコンペ(競合プレゼン)が行われます。 各エージェンシーの提案を見て、最も優れた企画を出したところに仕事を発注しようということですね。 ただ、その「優れた」というのがくせ者で、いったいクライアントが何を基準に優劣を決めるのかはとても曖昧。 多くの場合は、自分たちのイメージ通りのものかどうかです。 なのでコンペとは言っても、純粋なフリーハンドの提案を見るというよりも、自分たちの考え方通りにやってくれるか確認するという意味合いが大きく、「全く想定外の提案だがこれがいいと思った」となるケースは稀少と言えるでしょう。 そんな中、エージェンシーの営業さんがよく口にする言葉は、 「獲らなきゃ始まらない」 です。 クライアントのオリエンテーション(ブリーフィングとも言います)自体に疑問を持つことはよくあります。 そこから疑い自分たちの信念に基づいて、こういうコミュニケーション設計の方がいいんじゃないですか、と率直な提案をする方がクライアントのためになると思うのですが、上記のようにそれだとコンペを獲る確率は下がります。 それよりもクライアントの顔色を伺って、何を望んでいるのかを突き止め、それを「提案」として出してほしいと営業さんは僕のようなクリエイティブディレクターに要望するわけです。 それは100%正しいこととは思わないけども、半分以上は頷けます。 獲らないとゼロ。 参加すらできませんから。 だから僕はバランスを考えて、クライアントが許容できるギリを攻めたりするわけですが、選挙戦もこれに似たところがあるように感じます。 いくら正論をかざしたところで有権者の心を動かし自分たちの議席を増やすことができなければ、結局政治に参加することはできません。 ゼロです。 できもしないいい加減な公約を言ったり嘘をつくわけにはいきませんので、党の理念と有権者の要求のグッドバランスを見つけること以外に勝ち筋は存在しません。 ここからはある種の思考ゲームになりますが、では、たとえば民進党の場合はどうやれば議席数を伸ばせたのか、自分なりにシミュレーションしてみました。 まず根本的なポイント。 民進党に限らずですが、負けた政党は「争点」を作るのがヘタだった。 てか、争点を作ることすらしなかった。 小泉政権時代、「改革を止めるな。」というスローガンがありましたね。 あれはコピーライティングとしてはものすごく秀逸です。 自民党の改革を進めるのか、止めるのか、そこが選挙の争点だ、と言っているのです。 そうすると郵政改革の中身がどうの、とは違う次元で戦えることになります。 また、「抵抗勢力」という言葉もうまかった。 小泉派が時代のメインストリームで、それ以外は時代の流れを邪魔する人たちということにされてしまいました。 今回の参院選で、各党は総花的に公約を羅列するだけでしたが、それは戦略的に褒められたものではありません。 弱者の戦略と呼ばれるランチェスター戦略でも弱者は一点突破するしかない、となっており、そのセオリーは企業の戦いにも政党の戦いにも通用します。 ではどこを争点化するのか。 経済政策か。 それは違う気がします。 まず、有権者の多くは経済のメカニズムを理解できません。 アベノミクスが正しいかどうかなど、経済学者でも論が分かれるところで、自分たちの政策が正しいのだといくら叫んでも納得感に至らせるのは困難でしょう。 それに、日本の経済が弱くなった根本的要因は少子高齢化などの構造的なところにあると思っている人は多いでしょう。 また、原油安やBRICSの成長減速、ヨーロッパの不安定など外部要因に揺さぶられる部分も大きいわけで、 「この乱気流の中を安倍政権はよく持ちこたえている」 と評価する人も少なくないはずです。 経済政策じゃなければ、憲法改正ということになります。 … Continue reading

2016年6月30日
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経営者は経営学の原点を学び直してほしい

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僕のクライアントでとても頼りにしていた方が、急に退職された。 おそらく鬱病。 彼の異変に周囲の誰も気づかなかったらしいですが、突然電話で「もうこれ以上働けない」とだけ言って来なくなったと。 ショックなことでもあり、悲しいことでもあり。 すごく仕事ができて、温厚なのにブレず、上下のつなぎ役として信頼されていた、そんな方が戦線離脱です。 以前から感じていたこと。 なぜ皆、壊れるまで働かないといけないのだろう? その会社だけの話ではありません。 あちこちの企業で、過度のプレッシャーによって心を病む人が激増している実感があります。 昨今の世情不穏を、「まるで戦前に似た空気だ」と言う人は多いです。 でも僕からすると日本企業はどこも、何だかチャップリンの「モダン・タイムス」の頃に戻ってしまったみたいです。 ヘンリー・フォードが「流れ作業」を発明したことで、工場の生産効率が高まり、自動車が庶民に手が届くようになったのは有名な話。 フォードは従業員の賃金引き上げも積極的に行った、知恵も心もある経営者でした。 しかし、その機械的、非人間的な働き方に耐えられなくなる工員が続出。 それ以降しばらく、全米の工場は離職率の高さに悩まされることになります。 現在、日本の多くの企業は若者の離職の多さに悩んでいます。 そして会社を支えるミドル層は心を病んで離脱したりしています。 「非人間的な効率主義に耐えられない」のが、モダン・タイムスの頃と共通しているように感じられるのです。 さて、流れ作業工場の離職問題を解決したのはエルトン・メイヨーという学者です。 彼はまず課題を発見するために、工場の従業員たちから現状を聴き取ることにしました。 すると、解決策を講ずるまでもなく、聴き取るだけで離職する者がほとんどいなくなり、労働効率も上がったのです。 つまり「不満を聞いてくれる」、それが処方箋だったんですね。 彼は、賃金などの労働条件よりも、職場の人間関係や対話機会のあるなしが生産性を引き上げると結論づけました。 この思想は後のピーター・ドラッカーにも受け継がれます。 ドラッカーは企業をこのように定義しています。 ・人々に新しい価値を与え、顧客を創造するもの ・「人間的」機関 ・公益をなす社会的機関 企業の本質が顧客創造にある、というのはマーケティングにつながる話なので、僕もセミナーなどでよく引用します。 が、企業は従業員にとって「人間的」機関でなければいけないという彼の考えは一般に見落とされがちであるように感じます。 メイヨーが「人間関係論」を発表していた頃、アメリカでは金融恐慌が起こりました。 そこで登場したのがチェスター・バーナード。 彼の主張はこうです。 企業は外部環境によって左右される。 それを乗り切るためには、組織が上下一体となって志を一つにし、皆が一体感をもって同じ目標に進むことが必要だ。 そのまとめ役が経営者なのであって、そういう点で経営者の役割は重いものなのだ。 「バーナード革命」と呼ばたりしますが、これによって企業は外部環境を分析しながら経営戦略を立てるようになりました。 そしてここでも、そのために重要なのは従業員たちのモラルだと説かれています。 戦後、グローバルな経済成長の波に乗って企業の多角化経営戦略を唱えたのがイゴール・アンゾフ。 そして成長企業の戦略と組織を分析し、企業戦略論を完成させたのがアルフレッド・チャンドラー。 … Continue reading

2016年5月19日
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政治家を立派に見せる仕事

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昨年の3月、大腿骨を折って入院しました。 相部屋がいっぱいということでいきなり個室に入れられたのだけど、1日4万円近くもかかる。 脚が痛い上に財布も痛いとあってはたまらない。 「相部屋が空き次第、即、移して」 と頼みました。 しかし、入院するなり、その個室で毎日打合せをするように。 入院中なのにスケジュール表が埋まってしまった。 このまま相部屋に移ったとして、そこに広告代理店の人たちが何人も来て始終打合せ、というのはナンボなんでも他の患者さんたちに迷惑だろう。 なにしろ脚の骨折だからサロンに移動することもできないわけで。 で、税理士に電話して、 「この個室料って経費にならんかね」 と聞いてみたら、 「仕事で使ってるなら、ちゃんと理由があるわけなので、なるんじゃないですか」 と。 それで、相部屋はキャンセルして、会社経費で個室を使うことにしました。 以上の話は真実だけど、それを聞いて「そんな言い訳は許せん!脱税だ!」と憤慨する人がどれくらいいるでしょうか。 多くの人が 「スジが通っている」 と感じるんじゃないでしょうか。 希望的観測だけど、おそらく税務署の人も。 都知事の弁明で僕は何となくこのことを思い出していたのだけど、とにかく、なんて弁明がヘタなんだと思いました。 スジが通っていないんです。 僕だったら、 「自分は土日祝日も働きっぱなしです。そういう日はホテルで書類チェックや打ち合わせするようにしてます。そこに時々家族を呼びます。知事就任以来、家族皆でどこかに外出するというと、そういう機会しかないからです。それも公私混同で許されないということであれば、以後は慎みます」 と言うかなあ。 舛添氏は前任、前々任と違ってきちんと毎日登庁されているそうなので、こういうことが言える根拠はあるでしょう。 また、飲食費についての弁明も稚拙すぎる感が。 家族で食べた領収書は別の箱に取っておいたのだがそれが混ざった、ということだそうだが、個人事務所であれ、仕事に関わらないものを経費として落とそうということなら、それ脱税ですからね。 私人に戻ったとたん国税の調査入るんじゃないでしょうか。 僕だったら、 「会食で使用する店は、相手によってレベルを変えないといけません。高級店じゃないと失礼に当たる相手もあれば、回転寿司クラスでもOKの相手もいる。会話の内容にもよる。シークレットな内容なら秘匿が保たれる店じゃないといけないし、オープンな内容ならガヤガヤした店でもいい。だからこういう雑多な領収書が混ざることになるのです」 などと言うかなあ。 最強の営業戦略は「正直」だ、という話がありますが、政治はそれに当てはまらないでしょう。 政治とは有権者に対してブラックボックスにし続けなければいけない部分を多く含みながら、表の顔作りをどうするか、という側面を持つものであるように感じます。 だから政治家の言葉は曖昧で、しどろもどろになりがちで、そこが不信感のタネになる。 米国の政治家にはコミュニケーション・ブレーンとでも言うべきプロが付いていて、答弁の内容を起案したりチェックするらしいけど、日本の政治家はあまりにコミュニケーションがザル過ぎます。 同じ内容を伝えるにしても、話す順序、プライオリティによって聞く方の印象はガラッと変わるし、何よりスジの一貫したストーリーをどう構築するかが重要。 そういうサポートをするプロが付いていればいいのにと思います。 僕自身はそういう仕事をするつもりはないけども、政治家が失言したり、救いようのない弁明をするたびにワイワイ騒ぎになるのも鬱陶しいし、それで再選挙みたいなのも税金のムダ遣いだし。 「政治家を立派に見せる仕事」を誰かやってくれないものでしょうか。

2016年1月5日
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ちびまる子、ドラクエ、ピクサー、コシモ、30周年。

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謹賀新年 明けましておめでとうございます。   皆さまは、ちびまる子ちゃん、ドラクエ、ピクサーと、コシモの共通点をご存じでしょうか。 今年で30周年なんですね。 自分が広告クリエイターとしてこの業界に入ってから早30年。 まだまだ現役としてやらせていただいています。 旧年は自分がクリエイティブに携わったほぼ全ての案件で想定を超えるKGI、KPIのスコアを出すことができました。 新年もスタートダッシュで新しいプロジェクトがいくつも始まります。 ここまで来られたのも、いま頑張れているのも、理解あるクライアント様、広告代理店様、力あるプロダクション様、様々な協力会社様、フリーの方々の支えによるものです。 改めてお礼を述べさせてください。 また、今後もより一層のご支援を賜れば嬉しい限りです。 よろしくお願い申し上げます。 小霜和也 拝 昨年度の活動ご報告 ・クリエイティブディレクター/コピーライターとして企画制作を担わせていただいた商品・ブランド(順不同) VAIO マキシマム ザ ホルモン「Deka Vs Deka」 クリナップ 「流レールシンク」 H.I.S. 「Global ぷち商社 Service」 ドコモアニメストア 京橋再開発プロジェクト ドクタープログラム トリニティライン 森永乳業 Pino メットライフ生命 レオパレス21 他 数件 ・コンサルティング契約、ブランディング、CIなどでお世話になりました企業・ブランド様(順不同) … Continue reading