2017年3月11日
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肺気胸になりまして

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2月は、どうも、よくないことが起きるのです。 一昨年の2月も末になって右脚を骨折しました。 今年は無事に過ぎてくれよ…と念じていたら、やはりと言いますか、末になって肺気胸が見つかりまして。 なんだか咳がひどく、花粉症か何かだろうと思って抗アレルギーの薬をもらって飲んでも治らない。 おかしいなということでレントゲン撮ったら 「コレ肺気胸になってますよ」。 肺気胸というのは何らかの弾みで肺に僅かな穴が開き、そこから漏れた空気が肺と胸膜の間に溜まっている状態のこと。 それで本来の肺が縮んでしまうんです。 僕の場合は右肺が3分の2ぐらいになっていて、症状としては、 時々ひどく咳こむ 寝るとゼーゼー言う 100mぐらい歩くとちょっと息苦しくなる カラオケがうまく歌えない といったところです。 治療は難しいものではなく、胸膜にチューブを刺して溜まった空気を抜き、そのまま数日入院すれば穴が塞がると。 ところがその数日が取れないんですねえ。 打合せならまだリスケできても、3月は撮影日が8日あって編集日はもっとあって、それらがゴチャゴチャに入り組んじゃってる。 どーにもお手上げ。 撮影や編集を誰かに任せるか? そういうわけにはいきません。 つか、某エージェンシーの人たちが22時に帰ってから僕だけスタジオに残ってのど飴なめながらコピー書いたりしてるんですよ! 肺気胸が見つかった次の日、 「取りあえず一回抜いてみよう」 ということで、空気抜いて、その日はそのまま編集室に直行しました。 残念ながら、数日でまた元の大きさに縮みました…(胸に開けた穴の痕、結構痛い)。 ただこのままいつまでも放っておくと、肺が縮んだまま元に戻りにくくなるそうです。 なのでこうすることになりました。 24日(金)にまたチューブ入れて空気抜きます。 土日だけ様子を見た後、チューブ挿しっぱなしで、機械をくっつけたまま帰宅。 その状態で一週間仕事します。 31日(金)に検査して、治っていることが確認できたら2泊ぐらいで退院。 もし治ってなかったら最長1週間入院。 てなスケジュールです。 関係各所の方々にあまり気遣いされるのもイヤなので黙ってたのですが、そろそろオープンにしないといろいろご迷惑かけるかなと。 呼吸困難で緊急搬送、といった可能性もゼロではないそうですし。 チューブをつけている間は風呂は禁止なので、その期間はたぶん臭い的にもご迷惑かもですがご寛恕ください。 4月頭の入院が終われば通常運転に戻ります。 よろしくお願いします。

2017年1月4日
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謹賀新年 : 今年の小霜は

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  A HAPPY NEW YEAR!   2017年が皆さまの羽ばたく年となりますよう! (この絵はサビニャックが自身の年賀状用に描いたものだそうで、原画がうちの階段に飾られてます)   リンダ・グラットン「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」には、これからは新しい3つのステージが人生に登場するだろうと書かれています。 いろんな他者の人生や多様性に触れながら自分のアイデンティティを探す「エクスプローラー」ステージ。 自由と柔軟性をもって小さな創造的ビジネスを起こす「インディペンデント・プロデューサー」ステージ。 人的ネットワークやスキルの蓄積を元に多種類の仕事を同時に行う「ポートフォリオ・ワーカー」ステージ。 なるほど。 人生100年となると、教育-仕事-老後という一直線のリニアな生き方ではなく、ノンリニアなマルチステージ時代になるのは間違いなさそうで、こういった新しいステージも100年の中のどこかで取り込んでいく必要が出て来るでしょうね。 しかしよく考えてみると、これらは「ステージ」なんだろうか…? 自分がいま進めている広告クリエイティブビジネスは、これらが同時に入り混じって成立しているような気がします。 うーむ、いつの間にか時代の先取りしてたのか…要は「その調子で行け」ってことか…とポジティブ解釈して、2017年も現在のやり方を一層押し進める方向で行こうかなと考えております。 具体的には、 ・デジタルクリエイティブ ここにさらに力を入れます。 現在、マスとデジタルを統合する役割としていろんなエージェンシーさんとアドバイザリー契約を結んでいます。 春にはこのテーマで新著を出す予定です。 ・カルチャーメイキング 以前は広告によって商品が生活カルチャーを生み出すのだ、という意識がありました。 人々の生活習慣から新しくしてしまおうという熱量が。 今年はもう一度そういう失われつつあるスタンスを取り戻しながら案件を見ていこうと思います。 ・ソーシャルソリューション 医療・健康、エネルギー、地方創生、etc. いろんな社会課題系コミュニケーションのご依頼がありますが、今年は本腰を入れる年になりそうです。 そのための勉強もますます必要です。 ・スターメイカー 自分が前に出るのではなく、若いCDを前に立てて自分はバックアップ役に回る。 50歳を過ぎた頃からそういうポジションで仕事したいと思ってたのですけど、いくつかカタチになってきました。 もっと増やしていきたいですね。 ・フィクサー 僕の会社の標語として「ワンストップからノンストップへ」というものがあるのですけど、もはや総合系エージェンシーのトップでもコミュニケーションの全てを担い切れない状況です。 クライアントの課題を解決するために自分がハブとなって、いろんなエージェンシーや組織、スペシャルパーソンをチーム化するという役割も担うようになってきています。 … Continue reading

2016年11月16日
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広告は課題設定が9割

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僕は無料広告学校というものを主宰しています。 月曜日の夜19~21時で十数名を相手に広告の基本的なストラテジーの考え方とクリエイティブについて教えてます。 今期は自宅の近所にある町会の集会所をお借りしてます。 その分、受講生たちに神輿のポスターを作らせたり、実際に参加させたりなど町会の手伝いをするということで。 これまでは講義が終わった後はケータリングで軽く飲んだり食べたりしていたのですが、集会所をあまり長く借りたり汚したりもできないので、今期からは2人ずつぐらいの少人数で、近所の料理屋で彼らの個人的な悩みを聞いたり質問に答えたりしています。 昨晩はあるコピーライター志望者から宣伝会議賞について聞かれました。 「防災意識を高めるコピー」というお題があったそうなのですが、何やらモヤモヤしたものがあったようで、それについてどう思うかと。 僕は、 「プロならそういうお題は出さない」 と答えました。 そのコピーから、いったい何が課題なのか読み取れない。 だから成功したかどうか評価する基準も生まれない。 と。 日本は定期的な震災に見舞われる国です。 その被害を最小限に留めるために、やらなければいけない課題は何なのか。 たとえば防災グッズ一式が一家に一つあるだけでずいぶんと違う、ということなら、防災グッズの普及率の低さが課題だ、ということになりますね。 ならば「防災グッズを普及させよう」というのがお題であるべきです。 そうすれば評価の基準もハッキリします。 極端な話、そのために「防災意識」というのは不要かもしれません。 防災グッズは普段の生活でこんな役に立つよ、といった価値観の作り方でもかまわないわけです。 いざという時にその家に防災グッズがあればよいのですから。 仮に、「成人病の怖さについて意識を高めよう」というキャンペーンがあったとします。 そのキャンペーンが功を奏して、成人病とは何と恐ろしいものかという意識が根付いたとしても、それだけでは誰の何の利益にもなりません。 人々が動いてナンボなんです。 そのためにまずやるべきことは、やはり課題探しです。 もし健康診断の受診率が低すぎる、という課題が見つかったとしたら、お題を「健康診断の受診率を高めよう」と言い換えるべきでしょう。 そこに向けて人々を動かすための手法はいろいろあるはずです。 インセンティブを与える、でもいいし、わざわざ行くのが面倒だと考える人が多いのなら、生活動線の中に置けないかという発想でもいい。 いまパチンコホールで健康診断を実施していたりします。 受診する人は無料で、実施する会社はホールからお金をもらいます。 パチンコホールは暇をもてあます高齢者が集う場所となりつつあるので、どうせ無料ならと、彼らは健診を受けるんですね。 それが集客にもつながるので、ホールも潤うという仕組みです。 そういうやり方でも結果オーライなら全然かまわないし、人々を動かすためには広告人にもそのぐらい柔軟な視点が必要な気がします。 僕はいろんな企業からコミュニケーションのご依頼を受けますが、課題のはっきりしないオリエンが多いです。 ふわっとしてるんですね。 少子高齢化の影響は散々言われていることですが、ここ数年の内需の落ち込みは肌感としてかなりキツいものがあります。 生活者の経済格差も激しく、僕らがターゲットとする層は財布の紐を締める一方。 政府の思惑を余所に売りの現場でデフレは進行し続けています。 なので企業も「どうしたらいいんだ」と焦るばかりで、その焦りやこうありたいという願望が戦略とごっちゃになったまま提示されるのです。 こちらからすれば、ふわっとした状態からご相談されてもいいんです。 … Continue reading

2016年10月10日
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先ほどの投稿への補足

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先ほど、過労死事件について僕の思うところをこのブログに上げたところ、たちまちいろんな反響がありました。 何でそこまで知ってるんですか、とか・・・。 憶測で書いただけなんですが。 マス系のCDからこういう指摘されるとネット系の人間としては悲しい、あるいは、ネット広告はマスよりやりがいある部分もある、といったものも。 おそらくネット広告に従事されている方々からすると、僕の投稿を読んだ人が「ネット広告ブラック」というイメージを持ちすぎるのではと危惧されているのでしょう。 誤解なきように補足しますと、僕はもはやマス系のCDとは言い切れません。 仕事の大部分はネットに移行してます。 おそらく今年だけでWEBCMは10件近く、本数ですと数十タイプ作ると思います。 それはネット広告に今後の可能性を見ているからに他なりません。 また、僕はクリエイティブとメディアプランニングを切り離して考えることはしません。 ターゲットにどうアプローチするか、常に運用ありきでコンテンツを企画します。 なので、先ほどの投稿は第三者的に語っているのではなく、自分に関わる問題として憂えているわけです。 ネット広告はマス広告と違って、勝ち負けがハッキリと数字で現れます。 その言い訳無用のスパッとしたところが魅力でもあり、残酷なところでもあります。 僕は以前から、結果にこだわるCDでした。 CMが話題になるより、業界誌で褒められるより、売上げ向上などの初期目標を達成してはじめて達成感を得るタイプです。 なので、個人的にはどちらかと言えばネット広告の風土が肌に合うと言えます。 当然ながらハッキリと良いスコアを出せばクライアントからは喜んでもらえますし、そこで達成感を得る方はたくさんいるでしょう。 ネット系にもスタープレイヤーがたくさんいらっしゃいます。 ただ、今のネット広告を支えているのは黙々とエクセルに向かい続ける、労働集約型作業をする若い人たちであると思います。 彼らが報われる仕組みがないと、土台が揺らぐ気がするのです。 そして、なんだか最近揺らいで来てないか?と感じているのは、今回の悲しい事件が何らかそこにつながっているんじゃないか?と感じているのは、おそらく僕だけではないでしょう。 ネット広告が正常に進化していくためには、様々な歪みを取り除いていく必要があると思いますが、それは、誰の役割、ということではなくて、皆の役割、と認識すべきかと。 クライアントにも責任はあると思います。 運用に知らんぷりしてきたフロント営業さんにもあるでしょう。 コンテンツ担当の僕にもあるかもしれません。 そういう共通意識を皆で持てば、ネット広告はさらに有意義でやりがいのあるものになると思う次第です。

2016年10月10日
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過労死事件について思うこと

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電通の過労死事件が大きな問題、話題を生んでいます。 いろんな方がこの件についてSNSやブログで怒りや私見を表しています。 が、僕はそのどれにも違和感を覚えます。 その話をしてみたいと思います。 初めて会う人に広告の仕事をしていると言うと、「じゃあ生活は不規則ですよね」と返されることが多いです。 その通り。 広告業はクライアントビジネスだから、クライアントの都合に合わせて作業しないといけません。 僕はクリエイティブをずっとやって来ましたが、プレゼン作業や編集で午前様になることは珍しくないです。 休日返上、GW返上、などしょっちゅうです。 おそらく過去30年、自分は盆休みというものを取ったことがありません。 休日出勤すれば代休を取ったり、朝までの作業になれば次の日は昼から出勤できたりという制度は広告代理店にありますが、ただ、それがきちんと機能しているかというと疑問はあります。 大手広告代理店の中に入ると「ちゃんと有休を取ろう」といったポスターがベタベタ貼ってますし、たとえば電通では19時ぐらいになると強制的に明かりが消えて真っ暗になります。 裏を返すとそれぐらい皆働いちゃうんですね。 常に締め切りに追われるので、自分のペースで仕事を終わらせるのが難しいんです。 顧客の都合に合わせて働く業種は他にもたくさんあるわけで、デパートだって土日に営業しているわけですが、広告人の生活は他業種と比べて比較的不規則とは言えるでしょう。 でもそんな仕事環境の中でも、僕はこれまで心を病む人を見たことがほとんどありません。 それはたぶん、キツい作業をしても、その後に何らかの達成感があるからでしょう。 プレゼンが終わったりCMを納品したりすれば、「やり切った」感があります。 ひと息つけるんです。 しかもプレゼンが好評だったり、CMがウケたり、売上げが伸びてクライアントに喜ばれたりすると、またがんばるかという気になれるものです。 スタッフ皆で打ち上げとかやって、ねぎらったりします。 では、今回の過労死が起きた要因は何か。 ここからは僕の推察に過ぎませんが、彼女はデジタルマーケティング・ビジネス局配属でした。 ネット広告の運用に携わっていたのではないかなと想像しています。 大企業の宣伝部でもわかってない方が多いのですが、広告の「出稿」と「運用」は全く異なるものです。 出稿は、TVや新聞、ネットなどに広告を出して終わりです。 運用は、出してからが始まり。 数字数字の世界で、リスキーで、終わりの見えない作業とも言えるでしょう。 たとえばCPA(一つの製品が購入されるための広告コスト)は低ければ低いほどいいわけですが、広告代理店がそれを保証させられるケースもあります。 もし到達しなければ、自腹を切る契約です。 誠実な代理店なら、できるかできないか見極めてから受注し、万一できなければ素直に損を引き受けますが、不誠実な代理店は数字を書き換えることもあるでしょう。 スマホアプリなどのIT系企業じゃない一般のクライアントはそれを見抜く知見のない場合が多いので、不誠実な代理店を力があると誤解したりします。 (ちなみに電通はネット広告の超過請求も問題になっていますが、僕は彼らが組織的にそういった不正をしたとは考えていません) 担当者は毎日毎日数字と向き合いレポートを作成し出稿メディアの選定や配分を提案し続けますが、まじめな人ほど苦しい、カオスの世界になりつつあるというのが自分の肌感です。 クライアントに対峙するフロント営業からすると、複雑で勉強が必要で、しかもリスクを抱えるようなネット運用はできれば関わりたくないものです。 でも広告の趨勢がそうである以上、代理店としてそこをやらないわけにはいかない。 なのでデジタル部門がその大変さとリスクを引き受けざるを得ず、しわ寄せがそこに集中する構造になっているわけです。 運用担当の中には、心を病んで働けなくなる人が多いと聞きます。 だから常に人手不足で、他の担当者にさらに負荷がかかる、ということになります。 そして、ここがポイントですが、その作業は誰にも褒められることがありません。 … Continue reading

2016年1月5日
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ちびまる子、ドラクエ、ピクサー、コシモ、30周年。

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謹賀新年 明けましておめでとうございます。   皆さまは、ちびまる子ちゃん、ドラクエ、ピクサーと、コシモの共通点をご存じでしょうか。 今年で30周年なんですね。 自分が広告クリエイターとしてこの業界に入ってから早30年。 まだまだ現役としてやらせていただいています。 旧年は自分がクリエイティブに携わったほぼ全ての案件で想定を超えるKGI、KPIのスコアを出すことができました。 新年もスタートダッシュで新しいプロジェクトがいくつも始まります。 ここまで来られたのも、いま頑張れているのも、理解あるクライアント様、広告代理店様、力あるプロダクション様、様々な協力会社様、フリーの方々の支えによるものです。 改めてお礼を述べさせてください。 また、今後もより一層のご支援を賜れば嬉しい限りです。 よろしくお願い申し上げます。 小霜和也 拝 昨年度の活動ご報告 ・クリエイティブディレクター/コピーライターとして企画制作を担わせていただいた商品・ブランド(順不同) VAIO マキシマム ザ ホルモン「Deka Vs Deka」 クリナップ 「流レールシンク」 H.I.S. 「Global ぷち商社 Service」 ドコモアニメストア 京橋再開発プロジェクト ドクタープログラム トリニティライン 森永乳業 Pino メットライフ生命 レオパレス21 他 数件 ・コンサルティング契約、ブランディング、CIなどでお世話になりました企業・ブランド様(順不同) … Continue reading

2015年8月17日
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「元ネタ」と「コピペ」の線引き

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たとえばクリエイターが、このような商品、あるいはその画像をどこかで見たとします。           それで、何かビビッと来るものがあった。 おそらくそれは、 「生き物とか何か物体の、端っこと端っこだけが見えてるのって可愛いな」 ってことでしょう。 これを「元ネタ」としてデザインするとしたら、どこまでが「パクリ」「コピペ」で許されず、どこからが「モチーフ」「オマージュ」として許されるのでしょうか。 たとえば黒い猫を白い犬に入れ替えたら? 「別のもの」として権利関係の問題はクリアできるかもしれません。 でもクリエイターとしては恥ずかしい。 上記の写真は「La merise」という実在するブランド商品のものであり、その販売を妨害するおそれがあるわけで、確信犯としてやるのは職業倫理的に許されません。 では、ドラゴンだったら? ファンタジーの生物であり、魅力的に感じる人たちの層も違って来そう。 犬よりはずいぶんいい。 でも、まだギリギリ気になるところ。 じゃあホースならどうだ。 たとえばホースで水巻きしようとしている画があって、もう一つの画はホースの元が蛇口から抜けてるとか。 それなら問題ないような。 もしそのデザインが人気になったとして、「元ネタはこの黒猫なんです」と明かしたところで「パクリ」の誹りは受けないはず。 元の作者も「まさかあれの元ネタが自分のものだったとは」となるのでは。 許される「元ネタ」か許されない「コピペ」かの線引きはそのようなものかと思います。 で、やはり↓これはアウトではと・・・。             このNo.25はサントリーが取り下げたトートバッグ8種の中には入ってませんが、実在する商品の販売妨害につながる恐れがあるので、実は最もヤバいものかもしれません。 元ネタの作者に使用料を払うなど検討されてもよいのではという気がします。 デザイナーのオリジナルかどうかは関係なく、結果的にコンセプトが同じですから。 オリンピックエンブレムに端を発する騒動で驚いたのはネット民の元ネタ発見力。 テクノロジーの進歩で、コピペ、元ネタがこんなに簡単に見つかるようになったのだなあと。 「わからないだろう」「大丈夫だろう」といった甘い考えではもうやっていけなくなりました。 ただ、コピペされることで元ネタ権利者がトクをするケースも多いのです。 … Continue reading

2015年8月1日
by kossii
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責任は常に、「選ぶ側」にあるのです。

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東京オリンピックエンブレムの件で佐野君を非難している人が多いようだが、これは完全に的外れと言うものです。 なぜならば、クリエイティブの責任は「作る側」ではなく「選ぶ側」が負うものだからです。 今回、100以上のデザイン案が提出されたと聞いていますが、その中には見たこともないような斬新なものもあったでしょう。 おそらくそういったものと比すと、佐野君の案は「わりと普通」のデザインだったと思います。 では選考委員会がなぜ「わりと普通」のものを選んだかというと、斬新なデザインは「先鋭的」「独創的」な印象を与える半面「マイナー感」「小ささ」を与えがちですが、「わりと普通」なデザインは「メジャー感」「大きさ」を与えがちで、後者の方がこれから日本が目指す方向性、世界から期待される日本のイメージに合致していると考えたからでしょう。 そして、そのメジャー感を出しつつも、ある程度の独創性も欲しい、という中でのベストバランスがこのデザイン案、ということになったのだろうと推察できます。 ただ、そういった「わりと普通」のクリエイティブは、似たものがどこかに存在するわけで、誰かの権利を侵害するリスクは高いです。 そしてそのリスクに関して、作る側が負うことは現実的に不可能ですし、作る側が負うという発想がナンセンスです。 たとえば商品のネーミングをする際、僕は自分で商標チェックをしません。 そこの責任は負えないからです。 僕は広告クリエイターであって商標権の専門家ではなく、日本中、あるいは世界中の商標権抵触を回避するための知見を持ち合わせていません。 これは必ずクライアント、あるいはエージェンシーにしていただきます。 そしてチェックの結果、もし似たもの、あるいは同じものがあったらどうするか? 権利抵触しない別のものを選ぶ、という選択肢もあれば、「買う」という選択肢もあります。 それを決めるのはクライアントです。 たとえば「iPhone」という商標は、日本においては「アイホン」株式会社が保持しており、おそらくアップルはアイホンに使用料を払っているのだと思います。 もし僕が「iPhone」というネーミングをアップルに提案したとして、「日本に似たようなのがあるじゃないか!」と僕が非難されるのはナンセンスなわけです。 言ってること、おわかりになるでしょうか。 オリンピックエンブレムについても、チェックする責任はクリエイターでなくクライアントにあります。 今回、そのチェック漏れが見つかったわけですが、 いやこれは似てないだろう、いいがかりレベルだろう、と判断するのか? 確かに酷似してるから、お金で解決しよう、と判断するのか? 意匠を一部修正するのか? 解決法はいくつかありますが、これらは全て「選んだ側」の責任において決めることなんです。 「作った側」はむしろ「選ぶときにちゃんと調べてくれよ!」と怒るべき立場かもしれません。 もちろん確信犯的に誰かのデザインがいいからそのまま持って来た、というのはクリエイティブの職業倫理的に許されることではありません。 が、万に一つ、そうであったとしても、まず責を負うべきは「選んだ側」。 「作った側」が非難されるのは盗作行為をした事実が確定してから、という順が正しいと思います。 ちなみに僕は佐野君が盗作行為をしたとは思っていません。 なぜなら、彼ほどの経験値を積んだアートディレクターなら、盗作と言われないぐらいにデザインを「離す」技術を持っているからです。 もしベルギーのデザインを従前に知っていたら、クレームが来ないような修正を加えたでしょう。

2015年5月17日
by kossii
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炎上チェックライターという新職種

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最近、CMやWEBムービーが、とにかく炎上します。 社会が複雑化する中で、誤解を招くメッセージを企業が思わず発してしまう、といったケースがどんどん増えて来ています。 そういう意味で僕がずーっと気になっているCMがあります。 「ガイアの夜明け」の枠でオンエアしているこの富士通のCM。 https://www.youtube.com/watch?v=x3cRGccfY-U トンマナはとてもヒューマンで、その街の足としてずっと働いて来たタクシー運転手さんが、子どもの飛び出しを事前に察知して事故を防ぐ。 そういった経験スキルを、これからはICT技術でみんなで共有できるよ、といった主旨。 でもこれ、見方によってはとても恐ろしい内容のCMとなります。 どういうことかというと、コツコツと磨いてきた職人の技を、これからはテクノロジーで全て奪い取ってやるぞ、という宣言になっていると言うこと。 「すごーい!でも、これからは、運転手さんに代わってICTが飛び出しの多い場所だけでなく、便利でお得な情報を知らせてくれたりするそうです」と台詞で言ってますが、これでは、まさにテクノロジーによる弱者排除を加速する企業と受け取られても仕方ないです。 僕はこのCMを見た後、小さい女の子が将来データサイエンティストになり大成功を収め、そのパーティの帰り、富裕層の住む住宅地の一角でゴミ箱を漁っている元運転手と再会し、「あれ、あなたはいつも私を送ってくれたあの…」といったストーリーを妄想してしまいました。 もちろん、富士通がそんな非人間的な会社であるわけはないのに。 どこに問題があるのか? それは、「運転手さんに代わって」です。 これが、「運転手さんを見習って」なら問題ないんです。 わかりますか? その一言の違いで、「人間性排除」じゃなく「人間性共存」企業になれるんです。 僕がこのCMのCDなら、そこに気づいた瞬間、再編集を進言します。 あの女の子もそんな高価なタレントじゃなさそうだし、ちょっと呼んでそこだけ台詞録り直せば済むこと。 オフナレだからリップの問題もないし、2~3時間の作業。 このCMが問題にならずに済んでいる理由は、企業の真意を視聴者が理解しているから、といった性善説的なものではないと思います。 言っている内容が難しくて、CMの内容を理解できる人が少ないからです。 つまり運が良かっただけ。 これは、ほんの一例です。 「うわこのCM、大丈夫かね」とこっちがハラハラするもの、時々見ます。 こないだ、あるPR会社から僕にちょっと前例のない依頼がありました。 それは、PRの文言が炎上しないかチェックしてほしいというもの。 そのクライアントは目下社会的にかなりのバッシングを受けている最中でもあり…ほんのちょっとしたものの言い方も間違えられない、という話でした。 もちろん引き受けましたが、この依頼を僕の所に持って来たのは賢明と言えましょう。 大きな企業では、広告やPRを弁護士チェックにかけたりします。 ところがそこでどういうチェックが返ってくるかというと、 「妻という文字はもともと箒を持って家の前を掃除していたというところから来ているので差別用語とされる恐れがある」 とか、そういうのだったりします(これ、本当の話ですよ!)。 僕は、 「じゃあ、サッカーは古代に敵兵の首を転がしたところから始まったという話なので、非人道的行為に当たりますね」 と言ってやりましたが。 危ないものは全てNG、というやり方ならもちろん問題にはならないでしょう。 でもそれでは大事な真意が何も伝わらない、という本末転倒になってしまいます。 そこをうまくできるのはやはりコピーライターかなと思います。 ほんのちょっとした言葉のミスで、意図せずともそれが差別になったり、人権侵害になったりする、難しい世の中です。 … Continue reading

2015年5月17日
by kossii
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「コシモクラウド」の初仕事

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僕が勝手に「コシモクラウド」と呼んでいる若手コピーライターグループがいます。 僕の会社に所属しているわけではなく、普段は学校に行ってたり働いたりしながら、数人で、安価で、大量にコピーを書く、というスタイルが「ソーシャルクラウド」に近いのでそんなふうに名づけました。 メンバーは、np.無料広告学校の受講生、元受講生で、学生やフリーなど自分が所属している組織に縛られずにコピーライター活動ができる者たち。 その初仕事が、これ。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150509-00083462-suumoj-life レオパレス21の新ブランドコンセプト開発・ネーミング開発でした。 社長直轄でかなり気合いの入ったプロジェクトでもあり、また、こういった不動産のブランド名称はロジカルに決まっていくものでもないため、5名ぐらいの体制で数ヶ月かけて1000案ぐらい考え、その中から100案ぐらい提出したと思います。 とても自分一人ではできない仕事で、彼らがいてくれて命が助かった感じ。 電通経由でいただいたご依頼でしたが、電通内制でも難しかったんじゃないでしょうか。 なぜこういった活動をこれまで特に公にしなかったかというと、彼らが未熟だったからです。 どの案件も結局最後は僕が書く、といったことが多く、個人的なちょっとしたサポートぐらいにしかならなかったから。 でも、最近は俄然力をつけてきて、舌を巻くようなアイデアを出してくることも多いです。 つい先日はとある企業の事業アイデアを数十案提出したら発注主は驚愕してました。 上記のネーミングは長廻君という若者が書いたものがベースになってますが、当時はまだ慶応の学生でした。 しかし僕の目から見ると、もはや大手広告代理店の10年目ぐらいのコピーライターより、時としてはるかにいいコピーを書きます。 僕はいろんなエージェンシーで企業研修をしたり、内制クリエイティブと仕事させてもらってますが、その目線でそこまで言い切れます。 1年間広告学校に通ってバーチャルのワークショップを経て、そこからリアルの仕事を手伝う、という流れがいい結果を生み出してるのでしょう。 彼以外にも、まだ20代前半だけどとりあえずプロとしてはやっていけるかな、というのが何人かいます。 ただ、僕は彼らにコピーライターになることを全く薦めてません。 広告代理店クリエイティブへの転職も薦めてません。 今後、業界の構造がどう変わっていくかわからないし、広告クリエイティブのビジネスモデルがどうなるかもわからない。 大御所と呼ばれるコピーライターが就職活動している時代です。 数年は大局を見極める必要があるだろうと。 でも、今はコピーライティング活動はやらせていくつもりです。 クリエイティブの基礎体力作りになるから。 現状、僕のサポートだけで疲弊している感もあるけど、どうしてもコピー・ネーミングの、特に力仕事的な助勢が必要、ということがあれば手伝わせるのもやぶさかではありません。 その際は僕までご連絡ください。